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zoom RSS 国際反戦デー/美しい夏キリシマ(02・日)

<<   作成日時 : 2005/10/21 00:30   >>

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10月21日は「国際反戦デー」。

1966(昭和41)年、日本労働組合総評議会(総評)がアメリカ軍のベトナム戦争介入に反対する全国政治ストライキを計画し、
同時に全世界の労働団体・反戦団体に呼びかけ、この日が反戦の日になりました。


今日は反戦をテーマにした作品で、最近見た映画の感想を書いておきたいと思います。

B0002HNQBQ美しい夏 キリシマ
柄本佑 黒木和雄 原田芳雄


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公式ページ


死への衝動

美しい自然を背景に戦争を描くというアプローチは
シン・レッド・ライン」に少し似ているかもしれません。
しかしこちらのほうがより反戦色が濃いのは、
敗戦国日本の良心というものでしょう。

主人公の少年・康夫(柄本佑)は、動員先の工場で空襲に遭い、
親友を見殺しにしたという罪の意識から逃れられないでいます。

「お国のために命を捧げる」ことが人生の最大目的とされた時代には、
思春期特有の「死への衝動」も、ある意味うまく昇華されていたのでしょう。

しかしこの戦争や天皇を冷ややかな目で眺め、
本当の生きる意味を暗中模索している者もいた。
まるで現代の若者のような、そんな康夫の視点が新鮮です。

自室に親友の形見であるイエス・キリストの絵を貼っている康夫は、
同じ年頃の使用人「なつ」(小田エリカ)にキリストの処刑について教えてやります。

キリストを崇める西洋人と、偽りの神・天皇を崇めた日本人との
宗教観の違いが浮き彫りになる二人の会話が、とても興味深い。


新しい世界への再生

戦時の社会に適応する者、できない者、
両者が対照的に描かれていたように思います。

康夫の祖父・重徳(原田芳雄)は戦時社会に対応し、
国への勤めを立派に果たすことでアイデンティティを保とうとする人間です。
表向きそれが常識とされ、多くの人たちがそうであろうとしたことでしょう。

しかし、こんな時代に生きる意味が見つからない康夫のほうは、
親友の妹から兄の敵をとれ、と言われたことをきっかけに
ますます破滅的な行動をとるようになり、
竹やりを手に壕にこもってしまいます。

玉音放送が流れ、戦争が終っても、康夫は壕から出てこようとはしません。

「おいが死んだら、奇跡が起きるかもしれん!」

心配して見にきた「なつ」に康夫がそう叫んだとき、
康夫=耶蘇だったのだな、と気がつきました。

でも結局は「なつ」にその幻想を否定され、われに返る康夫。
いつの時代も、男は観念的なのに対し、女はたくましく現実的です。

さて戦後、祖父・重徳はまるで腑抜けのようになってしまっています。
社会の価値観を自分の価値観としていた人間は、
時代がひっくり返れば一緒に崩壊してしまうのですね。
原田芳雄の演技が見事。

やがて、村に進駐軍がやってきて。
康夫は親友の敵をとるべく、米兵に竹やりをかざして向かっていきます。
空に向かって威嚇された銃弾の音に、まるで撃たれたかのように
ばったり倒れた康夫は、一度死んでやっと再生できたのではないでしょうか。
戦後の新しい世界へと。

戦時の人々の暮らしを淡々と描きながら、
一人の少年の成長物語でもあったように思います。

生きる意味は、苦しくても自分で見つけなければなりませんね。

★この映画は、公式映画検定「見るべき100本」に指定されています★
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2005/10/26 22:55

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
なんだか染みそうなお話ですね。
憲法改正論議が現実味を帯びてきていますが、この問題は、どちらにしろ、真剣に見守っていかねばと思っています。

戦争について、平和について。映画や本や、音楽やらから、自分の得てきた思想の拠りどころが試されるところ、のような気がしています。

おかぽん
2005/11/01 13:17
おかぽんさん、こんにちは。
この映画、何も押し付けてくることはないのですが、本当に心に染みてきます。
黒木和雄監督からの
「この映画を、戦争の足音が間近にきこえてくるような日々のなか、あかるい未来を望む観客の皆様の魂のみぎわにまでお届けできればと切に願っています。」(公式ページより)
というメッセージを心に留めておきたいと思っています。
ぴむ
2005/11/01 23:05

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