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zoom RSS 【補足】ニック・パーク監督×宮崎駿監督の対談

<<   作成日時 : 2005/10/24 22:37   >>

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東京国際映画祭での、英日両アニメ巨匠の対談については、ニュースでも一部報道されましたね!

中日スポーツホームページより

(10/25追記:東京国際映画祭公式ページにも、対談レポがアップされました。
http://www.tiff-jp.net/index.cgi
ページ左上の「TIFFレポート」>「イベントレポート」から行けます。)


…どうしても日本の新聞等の報道は「宮崎駿寄り」になりますね…。
まあ宮崎監督が公の対談の場に出てくるのは4年半ぶりということなので、
注目度アップ! なのも無理はありませんが。

でも、そんな宮崎監督を引っ張り出したのがニック・パークの力。
あくまで今回の主役は彼…

のはずなんですが、
当日の会場でも、お客さんはほとんど宮崎ファンな感じだったし、
一般からの質疑応答で、家族についての質問が出たときは、内心ヒヤッとしましたよ。
ニック・パーク監督が独身なのは、ファンなら周知の事実ですから…。
日本ではニック・パークのことは、意外と知られてないのかなあなんて、
「ニック寄り」な私としてはちょっとむくれてみたり(笑)

こうなったら仕返ししてやる。
ふふ・・・実は私、「ハウルの動く城」見てないからね・・・。
(↑これ、バレてたら会場からたたき出されてたかも!?)

でも、宮崎駿の誕生日が私と同じだったから許す(意味不明)。
それに宮崎監督、すごくパーク監督のことを立ててくれていたしね。

そんなバカ話はともかく、対談の内容をもっとちゃんと書き留めておきたくて。

前の記事
へのトラックバック「新米映画ライターのぶっちゃけトーク」に対談の詳細が書かれているので
ぜひご覧いただきたいわけですが、この際私も思い出せる限り書いておこうと。

録音は禁止だったし、メモもとっていなかったので、うろ覚えの部分も忘れたこともあるけれど、
歴史的瞬間だったかもしれないあの対談の内容を、以下、書いておきたいと思います。
何か事実関係で重大な間違いがありましたら、コメントでご指摘くださいませ。
細かいことは、どうか大目に見てください(汗)
それでは私の「ニック寄り」な、うろ覚え対談記録をどーぞ。
(小文字は私のつぶやきです)



●(司会)お二人がアニメ制作を志したきっかけは?

(ニック・パーク、以下N)12歳のときに、母親が持っていた8ミリカメラにストップモーションのボタンがついているのに気づき、それがアニメを作ろうと思う最初のきっかけになりました。
本当はディズニーのようなセル画のアニメを作りたかったのですが、材料も何も持っていないし、作り方も分からなかった。
でも子供用の粘土(プラスティシーン)は持っていたので、とりあえずそれで作ってみようと思ったのです。

(宮崎駿、以下(宮))そんな昔の話は忘れちゃった(笑)
そんなことより今日は、ニックの話を聞きましょう。

宮崎監督は、自分のことを話すのは苦手なようですね。


●(宮)「チーズホリデー」卒業制作時に、大学に機材を買わせたという噂があるが?

それは大げさですが、チーズホリデー制作中にアードマン・スタジオから誘いがあり、そこで完成させました。
チーズホリデーは卒業制作には間に合わず、結局7年かかりました。

●(宮)アードマン・スタジオ入社当初は、もっぱら紅茶を入れる係をさせられていたという話だが?

(N)係だったわけではありませんが、実際、紅茶はしょっちゅう入れていましたね(笑)
憧れのピーター・ロード氏のためなら、紅茶どころかなんでもやりたいという気持ちでした。

(司)するとウォレスが紅茶ばかり飲んでいるのもそこから?
(N)おそらくそうかもしれませんね(笑)


●(宮)アードマン・スタジオは、ピーター・ロードとデイヴィッド・スプロクストンのアニメ好きの二人が、家の物置で制作を始めてから、ここまで築きあげたという事実にとても感銘を受けている。さらに、アードマン・スタジオに入れば自分の好きなものが作れなくなるのではないかと懸念するニック・パークに、自由な作品作りを約束するなど、日本のスタジオとは違って、商業性を度外視した大変な懐の深さを感じる。

●(宮)日本では既存のスタジオやシステムに乗らないと、何も始められない。
最近のアニメを志す若者も、コンピュータでちまちまやっているだけで、非常に小さくまとまってしまっており
何年かけても納得いくものを作っていこうという心を感じさせるものが出てこない。

●(宮)イギリスはブラック・ユーモアの国だが、ウォレスとグルミットシリーズは誰もが楽しめる純粋なエンターテインメントであり、そういうアニメが登場したことは素晴らしい。

イギリスのアニメーションは、たとえば「動物農場」のあとに「イエロー・サブマリン」が出たりしたが、
この二つの間にはつながりが何もない。系譜がなくて突然作品が現れるというのが特色だと思う。
そして「イエロー・サブマリン」のあとに「チーズ・ホリデー」だからね。
ミスター・ビーンに突然出会ったようなものだよね(笑)

(N)たしかにそういう面はあると思います。

-----------------------

(ニック・パークの新作「野菜畑で大ピンチ!」について)

●(宮)日本ではウサギはとても優しい生き物だが、イギリスでは日本とは違って、ピーター・ラビットもそうだが、いたずら者だよね。

(N)たしかにいたずら者の一面もありますが、今回の新作では、小さくて可愛い生き物が悪役になるという意外性を狙っています。
「ペンギンに気をつけろ!」でも、ペンギンが悪役になっているのはそういうわけです。

(宮)そういうところが、とてもユニークだと思いますね。

--------------------------

●(N)宮崎監督の前で、自分の作品の独自性を語るなんて恥ずかしくて、とても緊張しています。
宮崎監督の作品は、西洋とは対極にある東洋的な要素をみごとにアニメ作品として結実させており、それが素晴らしいと思う。その独自性はどこから生まれたのか、ぜひお聞きしたい。

(宮)日本には1億2千万の人口があり、アニメ市場も国内向けだけでじゅうぶん採算が取れるという恵まれた環境にある。
たとえばお隣の国韓国などでは、それほどの市場はないので、最初から海外を視野に入れた作品作りをしないと成り立たない。
国際化するとその国ならではの作品の魅力が薄れていってしまう気がする。
ウォレスとグルミットも、とてもイギリス的なところが魅力だが、
「野菜畑」ではアメリカ資本が投入されており、心配になる。
今後はあまりやらないほうがよいのでは…と言いたくなるが?

(N)アメリカの会社は私のこれまでの作品を見た上で、信頼して任せてくれていますから、
あまり障害と感じたことはありません。口出しされることもありますが、むしろ有益なアドバイスだったと受け止めています。
みんなが楽しめるおもしろい作品を作ろう、ということに関しても、アメリカ企業と私との気持ちは一致しています。

商業性とアーティストの尊厳との間に横たわる問題に、苦慮している様子の宮崎監督。
興行収入のない美術館用の映画に時間をかけていると、プロデューサーにいい顔をされないそうです。
それに対し、パーク監督は比較的好きな作品作りができているような印象を受けました。
やはり日本では、「お金を持っているものがエライ」的な風潮が強いのではないでしょうか?


●(司)新作のアイデアはどこから?

(宮)アードマン・スタジオを訪問して、ブリストルの街を歩いていたときも、自然と頭の中でロケハンをやっている。
実際のロケハンは作品制作時に行うわけだけれども、頭の中でやる分にはタダだからね(笑)
そうやって頭の中に蓄積されたことが、いつかどこかで使えると思っています。

-------------
●(宮)ニック・パーク監督は、新作のキャンペーンでもう何ヶ月も国に帰っていない。
彼はご覧の通りとても優しい人間だから、毎日毎日同じ質問をされてもにこやかに対応しているようだが、
もし自分だったら頭がおかしくなる。少し働きすぎだと思うので、ほどほどにしたほうがいいのでは…?

(N)帰国したらさっそくスタッフに、宮崎監督に働きすぎと言われたと伝えます(笑)
忙しいときでも週末はなるべく家に帰るように心がけていたのですが、そういう生活が続くと、
むしろ誰からもインタビューを受けないと不安になってきて、
「誰か電話ででもインタビューしてくれないかな?」と思ってしまいます(笑)
宮崎監督にも、何週間も飛び回るような、そんな経験があったのですか?

(宮)僕は日本国内を2週間だけだけれども、それでも頭がおかしくなりそうだった(笑)
自律神経がやられるからね…。


(司)初めてアニメを作ったときの思いや、あの頃に戻りたいという気持ちはありますか?

(宮)僕の場合は、高畑勲と初めてテレビシリーズを手がけたときに、
この貧乏な現状をなんとかしたい、という思いでやっていたことを思い出しますね。
まだ30そこそこの頃です。


(N)宮崎監督にぜひお聞きしたいのは、あなたの作品はどれもすべてが大変に異なる作品で、
それぞれが独自の世界観を持っていることにとても驚嘆しています。
どうやったら、そのような作品作りが出来るのですか?

(宮)それは実は、逃げることなんですよ。というのは、
私は自分の作品を見るたびに、やらなければよかったと思うことや後悔の連続で、とてもまともに見ていられません。
新作でも作らないことには、その呪縛から逃れられないのです。

(司会者の、この際ぜひお互いに言っておきたいことは?との問いに)

(宮)ひとつパーク氏にお詫びしたかったのは、イギリスで4人ぐらいで会食したときに、
パーク氏が気分が悪くなって早く帰ってしまったことがあって。
追い込みにかかっているときの監督の疲れ方はよくわかっているはずなのに、申し訳なかったと思っている。

(N)それは実はこちらこそ謝らなければいけないと思っていて、あの時はお腹を壊していて本当に体調不良だったんです。
作品の疲れではありません。

(宮)彼は優しいからああ言っているけど、実際の作品作りは大変なものですよ。


(司)作品を作る際、「これだけは譲れない」という信念みたいなものはありますか?

(宮・N)そんなものはなくて、自分が面白いと思うものを作っていくだけ。


【質疑応答】

・作品制作中の家族のサポートは?

(N)僕の答えはいちばん簡単です。結婚もしていないし子供もいないので、
家族を持たないのがいちばんですね(笑)

(宮)私の場合は、ほっといてくれるのがいちばんいい。
私のことは心配しないで、でも毎朝お弁当は出来ているっていうね(笑)

・プロデューサーの圧力(笑)などで、作りたくても作れない作品がありますか?

(宮)ジブリ美術館で上映する作品を1年かけて作りました。
「水グモもんもん」という作品で、小動物の視点から見た世界を描きたいという思いが以前からあったのですが、
水の中のほうがさらに面白いだろうということで作りました。
だから、自分の作りたいものはこういう形で実現できていますよ。

(N)私の場合は、作りたいものが作れないというのは「時間がないから」というのが主な理由です。
たとえば「快適な生活」は自分でもとても気に入っている作品で、ぜひ続編を作りたいとずっと思っていたのですが
時間がなくて実現できませんでした。でも、「レックス・ザ・ラント」の監督にこの企画を任せて、
この秋に続編がついに完成します。同様に、羊のショーンを主人公にした作品も、アードマン・スタジオの別の部門のスタッフが制作中です。こういった形で、作りたかったものの企画を実現するということが、最近は出来るようになりました。

時には人に任せることで、自分のやりたいことを実現できるようになったパーク監督。
これも彼の優しさと心の広さのなせる技だと思います!
そして、こうした形で彼の作品を見られることは、ファンにとってもこの上ない幸せ。


-----------

1時間半に渡る対談の話のつながりがなかなか思い出せなくて、
断片的になってしまい、真にすみません。
あくまで私の覚え書きってことで、許してください。
もしまた後で何か思い出したら追記するかも。




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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
TB&コメントありがとうございます。
記憶だけでこんなに詳細な記事を。素晴らしい。わたしなんてメモとってあの程度ですよ。
とはいえ、まあ全部UPしちゃうともったいない気もしたのですが。
読みながらまた思い出しました。そうですか、ニックさん、、、そうでしたか(笑)
オネ富士子
2005/10/25 22:43
オネ富士子さん、コメントありがとうございます。
確かに全部アップするのもったいなかったかもしれませんね。でも、大分忘れてますから大丈夫…?

ニックさん、ああいう方だからこそ、あそこまでディテールにこだわったアニメが作れるのですよね。ウォレスとグルミットの部屋のセットなんて、まるで本物の人間が住んでるかのように生活感がありますからね。神は細部に宿る、だわ。
ぴむ
2005/10/26 23:36
読ませていただきました。僕は宮崎駿さんに興味があって探していたらここにたどり着いたんですが恥ずかしながらニック・パーク監督のことは知りませんでした。作品名を見て有名な作品の作者だということに気がつきました。二人の対談はお互いを敬っていて大人の会話でいいですね。ニック・パーク監督は魅力的な人柄で彼の作品を見たいと思いました。この対談を載せてくれたあなたの労力と優しさに感謝します。
初めまして
2009/05/26 06:38
コメントありがとうございます。
記事が少しでもお役に立てたのならうれしいです!
もう4年前になりますが、本当に貴重な機会だったなあと思います。
私はN・パーク作品のファンですが、宮崎アニメももちろん好きです。なんせハイジやマルコを見て育った世代ですから、あのキャラや絵柄にはずっと愛着があります。
お二人とも素晴らしいクリエーターというか、仕事に対する志の高さや、心の純粋さ、優しさが伺われるようでした。
ぜひ「ウォレスとグルミット」シリーズなんかも機会があればごらんになってみてくださいね。
ぴむ
2009/05/26 23:05
はじめまして
私もニック監督の作品が大好きです
こんな対話をしてらっしゃったなんて、
初耳で、本当にUPです。
小さいころからBSで、「ウォレスとグルミット」シリーズを見ていて、「もっとたくさんみてみたい!!」とずっと思っていました
ふと思いだして検索してみると新作がずらり!!しかも長編です
新しすぎない世界観で、行ったことがあるような気にさせる、あの部屋づくりはほんとすごいと思います
ほんと今から見るのが楽しみです
ありがとうございました
あゆみ
2010/11/11 19:55
あゆみさん、記事読んでいただきありがとうございました。この対談ももう5年前になるんですねー。大ファンのニック・パーク監督に会えて、とてもうれしかったことを覚えています。今から思えば、とても珍しい対談イベントだったですよね。
「ウォレスとグルミット」の最新作は「ベーカリー街の悪夢」ですね。これも劇場で見ました!ブラック風味も効いていて、なかなか楽しいですよ。この映画のパンが膨らむシーンは、宮崎駿もうなったそうですよ。めちゃめちゃおいしそう♪ ぜひぜひお楽しみくださいね。
ぴむ
2010/11/11 21:12

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