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zoom RSS ミステリー記念日/ スイミング・プール(03・仏=英)

<<   作成日時 : 2005/10/07 00:23   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 4 / コメント 2

10月7日は「ミステリー記念日」。

1849年、ミステリー小説(推理小説)の先駆者・エドガー・アラン・ポーが亡くなりました。
1845年に発表された『モルグ街の殺人』が、世界初の推理小説と言われています。


さて、そんな今日の映画…ですが、この映画をミステリーと呼ぶのに異論を唱える人もいるかも?

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シャーロット・ランプリング フランソワ・オゾン リュディヴィーヌ・サニエ


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オゾンが描く作家性の勝利

人気ミステリ作家のサラ・モートン(シャーロット・ランプリング)は、編集者に勧められて南仏にバカンスへ。
ところがその別荘に、編集者の娘と名のるジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が転がり込んでくる。
美しく奔放でどこか謎めいたその娘は、本当に編集者の娘なのか?
そしてある夜、恐ろしい事件が・・・。

ラストのどんでん返しにばかり気をとられたら、本質を見失ってしまう作品です。
すべては○○だったの? なーんだ、って思った人には、この映画評判悪いみたい。
でも私は「あっ、やられた!」と思いましたよ。
それはほかでもない「作家の勝利」だったからです。
最後に編集者の娘とすれ違ったときの、サラのあの会心の微笑み…。



で、ここから先は激しくネタバレです。必ず見てから読んでください。



ある夏の日、別荘へ行ったら知り合いの娘がやってきた。
仕事の邪魔になるのではと一瞬心配したけど、わりと素直ないい子だったりして、それなりに仲良くなったりなんかして、一緒におしゃべりしたり、プールで泳いだりして、楽しいバカンスを過ごしました。


現実なんてこんなもの。
面白くもなんともないですね。

ところがサラの作家性と創造性にかかると、こんな現実があの「スイミング・プール」の物語へと変貌する…。
そう、すべてはサラの「妄想」ではなく「創作」だった、そこに作家性の勝利を見たとき、観客の心は心地よい驚きと感嘆とに包まれるのです。

安定した地位を築きあげた作家が、それに飽き足らずに新境地を開拓しようとするとき、「私小説」というジャンルを選ぶのはよくあるパターン。
サラがものした『スイミング・プール』も、実はそんな私小説なんですよね。
若い娘への反発、敵意、嫉妬、羨望…といった自分自身の内なる感情と共に、初の文芸作品創作の過程がミステリアスに描かれていく。
「私小説」ってあまり面白くないことが多かったりしますが(笑)、サラのこの物語はスリリングで格段に面白い。

そして映画としては最後の最後に、私たち観客が見せられたのはサラが書き上げた『スイミング・プール』の中身だったということが明かされるのだから、これはミステリーではなく一作家の創作過程をつづった文芸映画と位置づけるのが正しい、ということになるのかもしれないけれど…。

でもやっぱり、私にとってこの映画は、サラとオゾンが仕掛けた上質のミステリー。
サラという作家に見事にしてやられた! と思ったし、それに、女心はいつだってミステリー…じゃないですか?

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ぴむさん、こんにちは!
ぴむさんの解釈は、サラが別荘に着いてからはすべてサラが初めて創作した「スイミング・プール」という私小説を観客は映像として観ていたということですね?なるほど〜。それもありますね。私が現実感が薄く感じたのも、もしかしたらそういうことなのかもしれませんね。
この説だとスッキリしているし、サラという女性作家に焦点が絞られていて感情移入しやすいですね。
私もその後色々考えて余計分からなくなってきました。例えば、サラ=ジュリーとかジュリー=ジュリーの母とか、事故・傷跡・ジュリーの母が書いていた小説等から3人の関係性を考えてみたり、殺人事件も実際にあったのか創作なのかとか。
とにかく色々考えられる面白い作品ですね。
CD
2008/08/05 14:03
CDさん、拙文を読んでいただきありがとうございます。
私もCDさんのブログ記事を読んで、もっといろんな可能性のある映画なんだなと気づきました。サラとジュリーとジュリーの母、たしかにまだ何かありそうですよね。
ほんと興味の尽きない映画で、これぞ最上のミステリーかもしれませんね。
ぴむ
2008/08/11 20:41

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