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zoom RSS いまいちど「バッシング」について考える

<<   作成日時 : 2005/12/13 22:28   >>

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猫造さんのブログ記事
『バッシング』に感じている違和感みたいなもの…

を読んで、いろんなことを考えた。
そして、私もいまいちど、映画「バッシング」を見て
自分が思ったことをちゃんと書こうかなとか思った。

B000KRNDWAバッシング
占部房子 小林政弘 田中隆三
GPミュージアムソフト 2007-01-25

by G-Tools


映画から読み取れること。

・有子はイラクの子供たちを助けるためのボランティア活動に赴き、人質となった。
・帰国した有子を待ち受けていたのは、家族をも巻き込む激しいバッシングだった。
・有子は気が強く、どちらかというと激しい性格の20代の女性。
日本では勉強も出来ず、まともに就職も出来ず、居場所がなかったが、
イラクで初めて自分が役に立てたと思った。
・バッシングに耐えかねた有子は、再びイラクへと旅立っていった。

有子がバッシングされたのはなぜだろう?
有子の元恋人の言葉に、その理由が端的に表れている。

「こんなにみんなに迷惑をかけて!」
「なにもイラクに行かなくても、他の国にも日本にも、困っている人はたくさんいるだろう!?」

みんなに迷惑。たしかに他人様に迷惑をかけることはいけないことだ。
他人に迷惑をかけない範囲で、やりたいことをやる。
これは美徳のように思える。しかしよく考えてみると、

有子がかけた迷惑ってなんですか


実際のイラク人質事件では、多大な迷惑をかけたのはむしろ政府&自衛隊のほうだ。
自衛隊なんか派遣したお陰で、イラクのNGOやボランティアはどれだけ危険にさらされたか。
他人に迷惑をかけることは悪い。それが日本の常識ならば、
自衛隊と日本政府こそ、草の根の一般国民に迷惑をかけることは即刻やめるべきだ。

といいつつ、正直言って私も実は、
「有子を迷惑と思う人がいても仕方ないな」という気持ちが少しあった。
でも、下記の記事を読んで、有子はなーんも迷惑なんてかけていない
と心から思うことができた。

どこかの国の人質問題

高橋源一郎氏は言う。

アメリカ軍はイラクでがんがん女子ども老人をぶち殺しています。
日本政府はもちろん見て見ぬふりです。そんな国の軍隊"がのこのこ出かけてイラクの人たち
の反感をかい、日本へのテロ攻撃の危険を増やしてしまったのを、民間のボラン
ティアが (政府の勧告に反しで)民衆に向けて活動することでその危険を減らし
てくれたのです。彼らは日本人の名誉を高め(その結果、日本の安全に寄与し)ま
した。

ブッシュに気に入られることばかり考えているコイズミのような人間だけではな
くいい人間もいることを、イラクの人たちに証明してくれたからです。つまり、
バカな政府の犯した過ちを、人質の人たちが償ってくれたのです。10万人軍隊を
送るより、彼らの果たした役割の方が大きかった。だったら、政府や一部マスコ
ミは、まず彼らに感謝状を贈るべきではないでしょうか。それが非難の嵐とは。


迷惑どころか、有子のような人は国際ボランティア活動を通じて、
ひいては日本に貢献している。
元恋人が有子を「迷惑」と言ったり、「何もイラクでなくても」というのは、
「イラクでボランティアをする」ことの国際的価値がまったくわかってないから。
つまりイナカッペなんである。


あと映画の感想とは離れますが、
他人様に迷惑をかけない」って、ほんとうに美徳なんだろうか。

よく考えてみたら、他人に全く迷惑をかけないで生きることの出来る人間ているんですか。
「迷惑」というのは起こりうる事態であって、その対処法が大切なんじゃないんですか。

そういう意識がないから、ゴミ屋敷や騒音おばさんを何年間もどうにもできないという
おかしな事態が起こっているのでは。

そういえば私は、他人様にこれといった迷惑をかけずに生きてきたほう。
そりゃ子供のころは電車の中でゲロ吐いたりジュースぶちまけたり色々あったが、

きちんと宿題をし、親の勧める学校に進学し、浪人も留年もせずに大学を卒業、
不純異性交遊などはせず(笑)、会社に就職して遅刻も無断欠勤もしない毎日。
そんな私って、

なんてつまらねえ人間

私のようなつまらない人間は、むしろ

迷惑上等

他人様より俺様

ぐらいの意気込みでいったほうが、少しは面白おかしい人生を送れるのではないだろうか。
少なくとも、今より自由にはなれそうだ。

…なんだかおかしな自己分析になってしまった。

話を戻して。
その他、有子がバッシングされたのには、日本人特有の「妬み」があると思う。
その妬みは、日本人の真面目さからきたものだ。

「ボランティアはいいことだ。本当は自分もやらなければいけないのでは。」

そんな気持ちが心のどこかにあるけど、仕事もあるし家族もあるし実際は出来ない。
そんな中、「若ゾウ」がひょっこり異国へボランティアなんかに行ったりすると、
激しい焦りと嫉妬心に駆られるのだ。そして若ゾウが異国で人質になったりなんかすると

「それみたことか!!」

と、「行かなかった自分」を正当化することができ、安心するのである。

これには日本人特有の「オレもオレも意識」も関係するのかもしれない。
会社で同僚が昇進するなら、自分も昇進しないとおかしい、という
日本人特有の横並び意識。能力平等主義…
…この考えは、実は albrecht さんにコメント欄で教えてもらったこちらの本が出典。

4061155059タテ社会の人間関係―単一社会の理論
中根 千枝


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日本には、「誰でもがんばればできるはず」という妙な能力平等主義があって、
ヒーローの存在を許さない。つまり「誰もががんばればヒーローになれるはず。
ヒーローじゃないのはがんばってないから」と思っているのだ。

だから、「オレだってボランティアくらいいけるんだ。だけど危険だから行かないんだよ」という
理由づけが欲しくなってしまうのだ。

最後に再び、高橋源一郎さんの言を。

わたしはわたしの国の人質の人たちにこういいたいですー。
こんな恩知らずの国のことなんかもう放っておきなさい。


だから有子も、再びイラクに旅立ったんだと思う。
私にはこの映画のこの結末は、ごく自然に思えたのだった。

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トラックバック(4件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
『バッシング』に感じている違和感みたいなもの…
映画のネタバレ含むし、読み取り方によっては批判的な内容かもしれないんで、そういうの読みたくない人はスルーしてちょ。 ...続きを見る
猫造@燃いぜ!!いちおー社長よ。個人事業...
2005/12/14 17:44
『バッシング』に感じている違和感みたいなもの…
映画のネタバレ含むし、読み取り方によっては批判的な内容かもしれないんで、そういうの読みたくない人はスルーしてちょ。 ...続きを見る
猫造@燃いぜ!!いちおー社長よ。個人事業...
2005/12/14 17:47
(私信) 映画『バッシング』を観てもいないのに考える(爆)
ぴむ様の『いまいちど「バッシング」について考える』へのコメントです。 ぴむ様 a ...続きを見る
Albrecht's Alternati...
2005/12/17 12:32
「バッシング」やはり同情も何も感じない
「バッシング」★★★wowow鑑賞 占部房子 、 田中隆三出演 小林政広 監督、2004年 ...続きを見る
soramove
2007/05/24 23:34

コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
TBありがとうございました。

まぁ、要するに、この国の構造上、仕方ないかな、ということで。

結論とすれば、私は他人のことまで関わってる余裕や思いやりがないので、海外行こうが、拉致られようが、別に何とも思わないし、それを批判する人がいようが、賛同する人がいようが、それにも何とも思わないので、別に淡々とバッシングされているだけの映画見たからって何も思わなかった、って感じです。

政治的なことも、戦争しようがクーデター起こされようが、自分は参加しないと思っているだけで、発泡酒増税されようが、減税廃止されようが、金無くなったら死ぬかな、ってしか思わない。

この映画はそんな国民に何か訴えかけているのかもしれないけど、私個人としては、勝手にやっとれ、としか思わなかっただけです。

こんなこと書いて”思いやりがない”とかいうバッシング受けるかもしれんが、ヤケ食いして不貞寝して、ギター弾いて気晴らしして、気晴らし失敗したら鬱で死ぬだけくらいしか思ってないです。
猫造@
2005/12/14 18:20
猫造@さん、コメントとTBありがとうございます。

バッシングの原因が「思いやりがない」から、
ていうのは、私もちょっと違うと思っています。
日本人はそんな思いやりのない国民ではないと思うので…。

私は現在、自分の視野の中に「ボランティア」はないし、しようとも思わないです。でもそれは「思いやりがないから」じゃなく、しないから、しないだけ。それに言い訳なんて必要ないはずなのに、なんとなく言い訳しないといけない気にさせるのが日本の社会なのかな、と思ったり。

まあ、そんな世の中なんだからしょうがないでしょう、と言えばそれまでですが。
最近、嫌な事件ばかり起こりますしね…。

私はあの映画を観て、いろんなことを考えた。
あーだこーだ言いたくなった。
で、ブログにこうやって書いたりしてる。
それこそ勝手にやっとれの世界なわけですが、
あの映画は人をそうさせる力を持っていると思いました。(全部の人に、とは言いませんが)
そういうのっていい映画じゃないか、と私は思っています。
ぴむ
2005/12/14 22:33
「猫ぞう」さんの記事も拝見しましたが、同じく違和感を感じちゃいましたね。
まず一言。何が許せないかといえば、小泉ソーリの発言。人質になった連中へ、「なんで国の方針に逆らってまでイラクに行くのかね・・・」みたいなこと、もらしちゃいましたよね。これって、よーするに、国の政策・方針に反する行動、ひいては様々な場面での「異論・反論」は「迷惑なんだよん」、ということだと思うんだが。まずは、頭にくるのは、ここ。「国民保護法」なんかも名前は美しいもんだが、ようするに国・国民全体のためにという名目、一個人の権利を制限しましょ、というとこがポイントだったりするわけで。「自由」や「権利」に、「義務」「責任」が生じたりするのは当然だが、発言の真意は、国の方針に従わない人間には、国家の根幹・「日本国民の生命を守る」という義務は生じないんだよ、と遠まわしに発言したんだと自分は解釈しましたよ。これって、かなり問題発言。メディアは、あのとき、なぜそれを問題にしなかったのか、と思っています。くだらん「自己責任論」にすりかえやがって、です。

おかぽん
2005/12/16 18:40
すんません、長々と・・・
んで、猫ぞうさんの「塀の中の犬」のたとえ、かなり無茶なたとえですね。自己満足のためにイラク行ったんでしょ、としか感じられないからなんでしょうが・・・まぁ、多くのバッシングした方は、あのイラク人質問題も、この次元で片つけてるのかも・・・と思いました。

とにかく、国家が、ほんとうに、僕らの生活を守るために存在してる、ことを妄信してな
いと言えない発言。イラク戦争が日本国民のためにすげー役立ったなぁ、と心底思えるなら、それもよし。ただ、世間様の迷惑や国家の迷惑だけが行動の規範になるような人間だけじゃ、世の中、なんも変わらんことだけは間違いないです。
長々とすんません。
おかぽん
2005/12/16 18:42
おお、おかぽんさんはかなりお怒りのご様子…って、私ももちろんあの事件にはいまだに腹が立っています。そして今、構造書偽造事件にも、女児殺害事件にもやはり被害者の自己責任を言う人がいる。とんでもない話です。

日本の親は、子供を「他人に迷惑をかけるな」としつけます。一見これは正しいようですが、迷惑をかけないことばかりを考えていると、積極的に他者と関わることができません。さらに、「他人のために何かやろう」という気持ちがまったく育たないと思います。

だから日本人はボランティア音痴で、ボランティアの値打ちが実感できないのかもしれない。

それにしても、
映画上映の際に監督も言ってましたが、日本人のバッシングはどうして弱者に向かうのか。
「いじめられる側にも問題がある」
「欠陥マンションを買う方も悪いのでは」
こんな論理には吐き気がします。
私ら日本人は、もっとEQを高めないといけないと思います。
ぴむ
2005/12/16 20:58
ぴむ様
albrechtです。
なんか書こうかな〜と思いつつ、でも、『バッシング』観てないしな〜と思いつつ、でも、名前も挙がってるしな〜(タテ社会、面白いでしょ?;笑)と思いつつ、結局、書くことにしたんです♪
 ところが、コメントって500文字しか入らないんですね? ぜんぜん足りないので(←書きすぎ;笑)、自分のブログに書きます。
 では。
albrecht
2005/12/17 12:30
albrechtさん、ヘンな感じで名前出しちゃってすみませんでした。『タテ社会』面白かったですー。また感想も書きたいです。
それにしても、albrecht さんが貴ブログに書いてくださった返信、面白すぎですー!
http://albrecht.txt-nifty.com/alternativity/2005/12/post_e5bd.html

猫造さんも、おかぽんさんも、albrechさんも、みんな違う意見で興味深いです。こうやっていろんな方の意見をブログで拝見できるのってほんと楽しいですね。
ぴむ
2005/12/17 14:24
こんにちは。私は今、大学生です。
映画の方は見ていないのですが、
たしか内容は「被害者側に対する”非難”への批判」
をテーマにしているそうですね。
事件当時、私は被害者側に対して、初期から懐疑的な先入観を持っていました(決め手は家族の対応)。
また、私の姉は被害者を信じ、政府の対応の方を批判しておりました。
被害者のデータと犯人グループの要求、利害関係から、私の周りにいる人たちの大半が例の疑惑を「独自」に推理しておりました。
人を明確な根拠も無いのに疑うことは、不道徳なことです。
しかし、一度疑い始めたら、その人を再び信用することはむずかしいと思います。

この「バッシング」は自己責任などに対するものではなく、疑惑が浮上したことによる「不信感」から起こったのかもしれません。

しかし、当初の被害者家族に対しては、怒りを覚えました。たとえ自演では無かったとしても、被害者家族のあの姿勢に対しては嫌悪感を持ってしまいます。
少なくとも、私が被害者家族だったら、あのような対応をしないと思うし、怒りの矛先はテロリストの方へ向けるはず。
複流NRZ
2006/01/10 12:22
複流NRZさん、こんにちは。この映画がなかなか観られない状況にあるのがとても残念です。
私の考えは、あなたのお姉様に近いです。というか、「被害者の家族」まで批判するというのが、理解できないです。
もし自分の子供が誘拐されて、警察に「犯人に屈したくないので身代金は払いません!」といわれたら、「オレの子供がどうなってもいいのかバカヤロウ!」ぐらい、言いたくなりませんかね?
だからって、そのお父さんを批判する人たちって、家族を誘拐された人の心痛がまったくわからないひどい人だと思います。

自作自演とか疑惑とか、主にネット上での意見ですよね? ネットってのは無責任なものですよ。
特に出自をはっきりさせないで言っているような意見はまったく参考にはできません。

被害者家族が首相を批判したのがムカツク?
お上に感謝してヘコヘコ謝ってれば満足?
そして、他人様に迷惑をかけず、目立ったことは何もせずにおとなしく従順に暮らすのが模範的な日本国民?
そんな考えの人が多いのだとすると、コイズミもお上も「しめしめ」なんて大喜びでしょうね。
私はそんな愚民には絶対なりたくありません。
ぴむ
2006/01/10 21:09
いろんな記事引用するのはいいけど、やっぱ映画自体からそれを読み取れないと意味ないんちゃうかなあ。嫌われ松子の一生が素晴らしすぎて、その後見ようと予定してたバッシングをパスしちゃってね。見る価値ありか?と評判求めてココ迷い込んだんやけど。猫造氏みたいな違和感残るようじゃねえ。どうやら危惧してた通りの作品みたいね。弁護してあげたい気持ちは分かるけど現実世界とゴッチャにしたらアカンよ。あくまで映画なんやから。
すみぞう
2006/06/17 20:21
すみぞうさん、いらっしゃいませ。
私の記事は有子に同情的かもしれませんが、映画自体はとても中立的だったと思います。そこに違和感を感じたのは猫造さんの感想ですし、同情的なのは私の感想です。すみぞうさんも、ぜひご覧になって判断されてはいかがですか?見る価値はあると思います。
ちなみに嫌われ松子、私も観ましたけどやっぱり素晴らしかったと思います。
ぴむ
2006/06/17 21:49
Haha. I woke up down today. Youツ致e chreeed me up!
Latrice
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2011/07/05 02:32

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