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zoom RSS メディアに無視された事件と映画〜「蟻の兵隊」

<<   作成日時 : 2006/07/29 19:59   >>

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先日、映画を見に行った折に
気になる予告編が入りました。
「蟻の兵隊」というドキュメンタリーです。

B0017XYF7S蟻の兵隊 [DVD]
奥村和一, 池谷薫
マクザム 2008-07-25

by G-Tools


公式サイト

中国の山西省にいた日本軍約2600人が、戦後も残留して中国の内戦を戦い続け、約550人が戦死、700人以上が捕虜となった。軍命で黙々と蟻のように戦い続けた彼らは、「志願」して残留したものとして、戦後一切の補償を受けていない---


という、「日本軍山西省残留問題 」について描いています。
映画はそんな元残留兵のひとり・80歳の奥村和一が、
国にこの事実を認めさせるために裁判で戦う姿を追っていきます。

…って。そんな問題、まったく知らなかったんですけど。
無知も大概にしないと…などと思いつつ、
先日ラジオを聴いていたら、この映画の特集をやっていて、
監督・池谷薫氏が出演していました。

聞けばラジオのキャスターのみなさんも、
この事件については映画を観るまでぜんぜん知らなかったとのこと。
どうやらこの事件、国が認めないだけあって、
メディアでもこれまでほとんど報道されてこなかったのだそうです。
実は私だけでなく、国民のほとんどが知らなかったわけなんですね。

映画のほうもメディアからはほとんど黙殺状態の中、
ほぼ自主上映のような形で、渋谷のシアターイメージフォーラムで7/29から上映が始まったのですが、予想を上回る反響で連日大盛況なのだそうです。

今ではこうしてラジオでも取り上げられたり、
キネマ旬報でも8月上旬号で特集されてましたし、
今まで意図的に封印されてきた問題が、
またひとつメジャーの波に乗りそうです。

というと、これまでこのブログでも紹介してきた「バッシング」やソクーロフの「太陽」の公開までの流れが想起されます。
こういう映画は、このブログでは積極的にとりあげていきたいね!
というわけで、「蟻の兵隊」まだ見ていないけど紹介する次第です。

ラジオ出演していた池谷監督の話によると、
日本軍中国残留問題を映画にしようと思ったきっかけは、
やはり「誰にも知られていないから」ということだったそうです。

国を相手取った裁判を戦っているこの映画の主人公、
奥村和一氏の元へは、
それまでにも何度かメディアの取材が訪れたそうなんですけど、
なぜかいつも途中でプッツリ途絶えてしまうのが常だったとのこと。
だから池谷監督も最初はずいぶん疑われたんだとか。

奥村氏が中国まで出向いて、
残留の動かぬ証拠資料を集めて裁判に提出しても、
なぜか裁判官にはまったく無視され、
「軍の命令による残留」という事実はいっさい認められず。
奥村氏も、何もいまさら恩給がほしいわけでもなく、
ただこの事実を国に認めさせ、
歴史上の事実として後世に伝えるために戦っているのだそうです。

そんな経緯を奥村氏に話を聞くうち、
「このじいさん、本気だぞー」と恐れを抱いた?監督は、
奥村氏に負けない情熱を持って、
幾多の苦難を乗り越え、
ついにこの映画を完成させたというわけですね。
そんな映画が面白くないはずはない、と私は思うな。

映画の中では、いろいろとショッキングな
事実も描かれていくとのこと。
山西省に赴いた日本兵たちは、
「初年兵教育」として、中国人を殺害したのだそうです・・・。

だから奥村氏は、れっきとした「加害者」でもあるのです。
証拠集めのために中国に赴いた奥村氏は、
中国人と対面するうち、
加害者としての自分の戦争にまず決着をつけないと
先には進めない、という事実に突き当たります…。

このように、この映画では被害と加害の両面から
戦争中の問題を描いているということだと思います。
そういう面でも見る価値ありでしょう。

そして、御年80歳にして戦い続ける猛烈じいさん、
奥村氏のコメントもそのラジオで聴くことができました。

戦争の体験は、自分の子供には話しにくいものだ。
でも、孫になら話せる気持ちの余裕が出てくる。
ぜひ、あなたのおじいさんや、銃後を守って苦労したはずのおばあさんに、戦争の話を聞いてみてほしい。そして、どの家庭にも必ず戦争が関係していたんだ、ということを実感してほしい。戦争が関係なかった家なんてひとつもない。戦争は決して過去のことではなく、今も続いているんです。


力強くリスナーに向かって語ってくれた奥村氏。
ラジオのキャスターも言っていたけど、
私も死んだおじいちゃんから、
もっとちゃんと戦争の話を聞いておくんだったなあ。

そう、昨今の私たちはついつい「過去の戦争では・・・」
なんていう口調で語ってしまいがちですけど、
奥村じいさんにとっては戦争は終わってないんです。
国が残留の事実を認めないのだから…。
戦争は今につながっているということを、
忘れないようにしないといけないと思います。

「蟻の兵隊」上映期間は8/4までとなっていますが、
大盛況を受けて、たぶん延びるんじゃないかな。
監督も「終戦記念日前に終わらせたくない」って語っていましたし。
8/5からは大阪・名古屋でも上映。
上映情報を公式サイトで確認の上、ぜひ足を運んでみましょうね。

私は「蟻の兵隊」だった―中国に残された日本兵私は「蟻の兵隊」だった―中国に残された日本兵
奥村 和一 酒井 誠

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【関連リンク】

ブログ「かたすみの映画小屋」
・「蟻の兵隊
・『私は「蟻の兵隊」だった

【「蟻の兵隊」見てきての感想をアップしました】↓
http://eigakinenbi.at.webry.info/200608/article_4.html

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タイトル (本文) ブログ名/日時
蟻の兵隊
蟻は小さく、集団で黙々と働き、そしてヒトの大きな手ひとつでつぶされる生き物。1945年8月15日、ポツダム宣言の受諾によって終戦を迎えた日本ですが、中国の山西省にいた日本軍の一部の部はが武装解除をすることなく中国に残留、後に中国国民党軍に編入されて中国共産党軍との内戦を戦っていました。やがて捕虜になったりして帰国した彼らは日本政府によって逃亡兵とみなされます。政府は残留日本軍が自らの意志で勝手に戦争を続けたとの立場をとり、責任追及から逃れている軍司令官の命によるとの主張を退け、元残留兵たちへ... ...続きを見る
かたすみの映画小屋
2006/08/10 07:44
映画『蟻の兵隊』  日本軍山西省残留問題
                                                                本日、2006年、5月24日、映画『蟻の兵隊』の試写を観た。 映画『蟻の兵隊』のhpアドレスは下記の通り。以下必要に応じこのhpから引用させてもらう。本記事に添付した画像はすべて  有限会社蓮ユニバース からの提供である。http://www.arinoheitai.com/index.html この映画は元残留兵、奥村和一の現在と過去を提示する。奥村和一は、15歳で少... ...続きを見る
試稿錯誤
2007/06/04 09:00

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