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zoom RSS 文化の日/さらば、わが愛 覇王別姫(93・香港)

<<   作成日時 : 2006/11/03 22:47   >>

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11月3日は「文化の日」。

1946(昭和21)年、平和と文化を重視した日本国憲法が公布されたことを記念して、
1948(昭和23)年公布・制定の祝日法で「自由と平和を愛し、文化をすすめる」国民の祝日に定められました。
戦前は、明治天皇の誕生日であることから、「明治節」という祝日でした。


というわけで今日は、何か文化的な映画をとりあげようと思いまして。
中国の伝統文化といえば京劇。
日中戦争や政変、そして文化大革命等の受難の時代を経てなお、
現代に伝わる伝統文化です。
中国の激動の近現代史を、そんな京劇の世界を軸に描いた大作と言えばこの映画。

さらば、わが愛/覇王別姫さらば、わが愛/覇王別姫
リー・ピクワー レスリー・チャン チェン・カイコー


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劇場公開当時は、ミニシアター未曾有の大ヒット&ロングランで話題になりました。
平日の昼間でも満員で見られない人続出。
そんな話に私も恐れをなしてついつい尻込みしてしまい、
後日ビデオでの鑑賞となってしまいました。

中国のチェン・カイコー(陳凱歌)監督が、香港の大スター、レスリー・チャン(張国栄)を
主演に迎えた、1993年度カンヌ映画祭パルムドール作品。
3時間近い大作ですが、長さを感じさせず非常に見ごたえがあります。

京劇のシーンとレスリーの美しさが話題になりましたねえ。
でもこの映画の魅力は、決してそれだけじゃありません。
それが何より証拠には、香港映画にはさほどなじみのないうちのダンナも、
大絶賛して原作小説まで買ってきちゃいましたから。
どんな大河小説かと思ったら、意外と短いハヤカワ文庫なのがちょっと意外でしたけど。
ストーリーも意外とあっさりしてました。

さらば、わが愛―覇王別姫さらば、わが愛―覇王別姫
李 碧華 Li Pik Wah 田中 昌太郎

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中国激動の50年、なんて言ってしまうとなんだか陳腐ですが、
歴史のうねりを感じますよねえ。
共産主義革命によって価値観が180度ひっくり返ってしまう、
そんな時代を生きた文化人たちの苦悩は、日本人には想像しにくい部分もあります。
それがこの映画では、主人公・蝶衣の悲しい運命と苦悩とともに、
私たちの胸に迫ってきます。

蝶衣が京劇の劇団に入門した少年時代から、
固い絆で結ばれてきた相手役の小樓(チャン・フォンイー/張豊毅)。
蝶衣はずっと彼に恋心を抱き続けますが、彼からはたびたび裏切られます。
そんな小樓はとっても卑怯者に見えるけれど、
実は現実的な、ごくごく普通の男なんですよね。
豪放磊落なようでいて、わが身が危ういとなるとつい臆病になって逃げ出してしまったり。
芸術家気質で京劇にしか生きる道をみつけられない蝶衣とは、とても対照的です。

小樓とその妻・菊仙(コン・リー/鞏俐)、そして蝶衣の三角関係、
蝶衣の弟子・小四の裏切りといった様々な愛憎劇に、中国の現代史が重なっていきます。
中国映画入門としても、中国現代史入門としても、最適&必見の作品といえるでしょう。

そんな名作ゆえ、チェン・カイコーにとっても、レスリー・チャンにとっても、
代表作と言っていいのでしょうね。
そのレスリーは、3年前に突然の自殺で亡くなってしまいました。
映画の中の蝶衣の運命や苦悩と、重なるものがあるような気がします…。

閑話休題。
私自身は特別にレスリーのファンというわけではなかったのですが、
レスリーというと思い出す話があって。
それは、7〜8年前くらいだったかに新聞に載っていた、あるおばあちゃんからの投書でした。

80歳過ぎて一人暮らしのそのおばあちゃんは、
たまたまつけていたテレビの映画でレスリーを見て
(投書の内容からは、たぶん星月童話ではなかったかと)、
その美しい中にもどこかあどけない笑顔に魅せられて、
名前も知らないのにファンになってしまいました。

その日から、レスリーの出ている映画を片っ端から見たり、
彼のことを知ったりするのが楽しみになりました。
すっかり出不精だったのが嘘みたいです。
そして、とうとう思い切ってコンサートにも出かけたのです。
観客はみんな席を立って大声で彼のことを応援していましたが、
おばあちゃんは静かに座ったまま、彼の歌にじっと耳を傾けていました。

思いがけず人生の最後に、春が来ました。
レスリーさん、ありがとう。
そんな内容の投書でした。

私はこの投書に、なぜだかとてもジーンときてしまって。
コンサート会場で目をつむってレスリーの歌に聞き入っている
おばあちゃんの姿が目に浮かぶような気がして。

だからレスリーが亡くなったと聞いたとき、最初に思い出したのはこのおばあちゃんの話で、
あのおばあちゃんは今どうしているだろう、
そんなことが頭をかけめぐってしまったのでした。

…て、今日はあまり映画の内容と関係ない話になってしまいましたがな。
でもこの映画については、きっと多くの人が語りつくしているだろうから
まあいいよね。

しかしレスリーがいなくなって、香港芸能界にはとてつもなく大きな穴が
あいてしまいましたよね…。
そしてその穴は、今でも埋まっていない気がします。


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タイトル (本文) ブログ名/日時
チャン・ツィイー乱入にあ然!プレミア上映会でアン・リー監督に抱きつき「主役」の座奪う?
チャン・ツィイー乱入にあ然!プレミア上映会でアン・リー監督に抱きつき「主役」の座奪う?―香港中国の芸能界も華やかで話題豊富ですね!!23日、話題作「ラスト、コーション色・戒」のプレミア上映会で、特設ステージに突然女優チャン・ツィイーが乱入。アン・... ...続きを見る
芸能娯楽@おもしろ情報局
2007/09/25 07:19

コメント(25件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは! レスリーの映画を取り上げてくださってうれしいなあ〜。名作ですよね。本当に。
そのおばあさんの話は私も知っています。レスリーファンの間では有名なようで、私も別のファンから教えてもらったのです。いまや多くは韓流スターが同じように、いろんな方々の生きる喜びになっていますね。すばらしいことです。

この映画にかけたレスリーの熱意が映画を成功させたのだと思います。レスリーは永遠です。ありがとう。
hoisam
URL
2006/11/03 13:43
hoisamさん、こんにちは!
おばあさんの話、ファンの間では有名だったなんて知りませんでした。いい話ですよねー! ファンの方なら誰か、コンサート会場でおばあちゃんを見かけたかもしれませんね。
この映画のレスリーはすごかったなあ。
きっと芸術の神様が降臨していたのでしょうねえ。ほんと永遠です!
ぴむ
2006/11/03 15:07
覇王別姫、名作でしたね〜中国の激動の時代の見ごたえもありましたが、やはり恋に身を焦がすレスリー・チャンの演技が心に残っています。せつないなあ〜
なんで自殺なんかしてしまったんだろう?私はおばあさんの話は知らなかったけど、そういうファンのおばあさんもいるんだと
いうことを忘れてほしくなかったわ。

私も特別好みというわけではなかったけど、印象的な俳優さんでした。ダ・メージにも確かでてたよね?
kotan
2006/11/04 22:27
kotanさん、こんにちは。
レスリーの訃報はファンならずとも衝撃でした。罪なお人ですなあ…。
ところで「ダ・メージ」って何か映画でしたっけ? 不勉強ですみません(焦)。
ぴむ
2006/11/05 12:38
びむさん、ごめんなさい。いろいろな映画がごっちゃになってました(汗)
京劇→女装→美しい という流れでMバタフライ(クローネンバーク監督)のジョン・ローンをレスリーと勘違い。共演のジェレミー・アイアンズが出ていた映画ダメージがさらに混ざった結果とやっと判明。ヤレヤレです。^^;
kotan
2006/11/05 16:19
kotanさん>
そ、その連想ゲームはすごすぎる!(笑)。そういえば「ダメージ」は見たけど、「Mバタフライ」は怖くて見ていません…。関係ないけどあの頃のジョン・ローンも、レスリーも、お肌ツルツルですよねえ。うらやましいわ。
ぴむ
2006/11/06 19:35
Mバタフライ、濃いです。
官能的です。ジョン・ローン(今頃どうしているのやら・・)美しすぎました。
美しい男は好きですが・・ちょっとメゲます(笑)
kotan
2006/11/06 21:16
kotanさん、やっぱり見るのが怖いです(笑)。クローネンバーグ映画も好きなのに、これだけ観ていません。。。いつかは越えなければならない壁でしょうか!?
ぴむ
2006/11/07 19:23
すみません、横レスで。
Mバタフライ(略してMバタ)に反応してしまいました〜。怖くて見てないんですか。見たけど怖かったですー(笑)。つーか、西洋人には、東洋人の男と女の区別もつかんのかー! と喝を入れた記憶があります。出てきたジョン・ローン、私にはまんま男に見えたので…。
ちなみに、「あんことバタークリーム」の入った菓子パン「あんバタ」にかけて命名しました。
hoisam
URL
2006/11/08 01:38
おおお、「Mバタ」でこんなに盛り上がるとは。これはますます、観ねばなりませんね。もうすぐ近所のツタヤが半額デーなので借りてこようかな…。しかし、「あんバタ」ってここらでは見かけない気が。
ぴむ
2006/11/08 22:05
>あんバタ
?う〜ん、初耳です。
関西では「生ドラ」というのはよく見るけど・・生クリーム入りドラヤキ。(^^)

kotan
2006/11/08 23:39
そうですね、あずきマーガリンはよく見かけるのですが、バタークリームとは。
ぴむ
2006/11/09 21:41
大変です!「Mバタ」ってDVDになっていないんですね。近所のツタヤにビデオもありません!これでとうとう幻に・・・。
ぴむ
2006/11/11 00:09
ありゃま「Mバタ」品切れですか!残念やわ〜びむさんのコメントお聞きしたかったわ。
このさいなんで路線を変えて「関コテ」に挑戦してみまへんか〜「関コテ」とはマイブログでは「関西コテコテ映画」のこと。ちなみに「お父さんのバックドロップ」は笑えまっせ。
kotan
2006/11/11 16:51
今度は「関コテ」ですかー。
「パッチギ」は観たけど「お父さんのバックドロップ」は観ていません。ちなみに「じゃりン子チエ」は大好きです。
ぴむ
2006/11/11 20:35
あぃヤ〜〜!
『Mバタ』で盛り上がってますね。ジョン・ローンはあくまで『いい男』に決まってるじぁあ〜りませんか!(我想他是真好漢!我愛小龍!)
ロンロン、ロンロ〜〜ン!!(京劇風に)
『Mバタ』やったのは、あくまで男の意地じゃないかなあ。
でも、レスリー・チャンの『覇王別姫』は、最後泣きましたよー!貴妃酔酒の素踊り(京劇でこんな言葉ないよね?)する姿は、まさに『梅蘭花』そっくり!監督、遅すぎるよ〜、死んじゃったじゃん(涙)。
そーいえば哥哥は、少し口ひげ生やしてた時ブラピに似てましたなあ。
ロンロンは口ひげ生やすと似合わない。あくまで『シャオサー』なんだな。永遠の美青年。でも歳相応の渋さも欲しいところです。
ロンロンの京劇シーンを哥哥と比べて酷評した人がいるけど、ロンロンの水袖の扱い方はズバリ『上手い』です。貴妃はロンロンの勝ち!
哥哥は『虞姫』の練習を一生懸命してたし、キャラに合ってる。肩幅が狭い方が虞姫には合うの。真是!語りつくせません!私は完璧日本人です、念のため。

リンリン
2011/04/05 07:25
訂正:『梅蘭花』⇒『梅蘭芳』メイ・ランファンです。お詫びして訂正します。真対不知!
リンリン
2011/04/05 07:36
リンリンさん、コメントありがとうございます!
とっても中華通の方とお見受けしました!
ロンロン今どうしてるんでしょうね。
京劇がわかったら、覇王別姫もMバタも、もっと楽しめるんでしょうね。私は京劇ぜんぜんわからないんですが、レスリーの虞姫は唯一無二な気がします。
この映画は名作ですよね。生涯ベストにも入れたいなあ〜。
ぴむ
2011/04/06 01:07
即レスありがとうございます。
ロンロンについては只今彼氏がいないか調査依頼中でございます(笑)いたら(涙)
哥哥の『虞姫吹き替え』なる話が2chanでありましたが、うそですよ〜
映画の始めの方で、子供の蝶衣が大人の演技をみてたから、それを誤解してませんかねえ。あれは先輩の役者の役(ややこしいな)でしょ。女性です。京劇は今でも女形の人が歌うとするとキーが違います。
『さだまさし』に似た軍人が観てる場面、始めは勿論歌ってるし、顔がかくれた瞬間もレスリー本人の声ですよ。(練習中の地声、低い声でいいな、胸キュンものです。ビデオ有るよ)
本番は30回以上、撮り直したんだって。(小四役の雷漢の話によると)
なんか小四と四角関係みたいなムードも感じたのは私だけ??楽屋の場面たまらなかったです。
京劇楽屋の雰囲気にはロンロンの方が馴染んでたかも。貴妃酔酒が終わってすぐの「我下班了!(ウォーシィヤァバンラ):仕事終わったよ」は顔は見えないけど彼の声ですよ〜〜(ハート)
その後また女になったカーテン越しの声たまりません!
長々とすみません。思いのたけを聞いて下さって非常感謝!!
リンリン
2011/04/06 20:37
前コメの変換ミス訂正(>_<)
対不知⇒「対不起」です。真対不起!m(__)m
リンリン
2011/04/06 20:45
2ちゃんねらーがなんといおうと、覇王別姫の京劇はレスリー本人がやってるって、映画ファンなら常識ですよね!
「我下班了」くらいの中国語だったら、私もなんとかわかります。中国語勉強中なんですよ。ほそぼそとですけど・・・。
わたし心配性なもので、最近、原発事故で頭がいっぱいになりがちなんですが、やっぱり映画話は楽しいですね。コメントいただけてうれしかったです。何があっても映画を見続けます!
香港映画は最近あまり見てないんだけど、wowowで「コネクテッド」見ましたよ。ハチャメチャだけど面白かったです。


ぴむ
2011/04/07 22:03
原発に関しても読ませてもらいましたよ。
ところで、コン・リーが誰かに似てるとずっと考えてて名前出て来なくて…鈴木京香だ!ね、是不是?(山口百恵より似てるわ〜)
あと、以外な真相が…哥哥は小樓役のチャン・フォンイーが嫌だったんですって(二度と共演したくない:台詞じゃなく本音)。で、小四を打つ場面が嫌だった(雷漢がタイプ?)そうです。
え〜もしや…二人(哥哥と雷漢)の仲は……
うーん、なんか深いドラマですね。(涙)
リンリン
2011/04/08 20:41
早上好!またも訂正でございますm(__)m
哥哥が日本軍人の屋敷で舞ったのは『牡丹亭』ですよね。(貴妃ってかいちゃった)。長いのでどの辺かよくわかりませんが杜麗娘が庭で舞う場面のはずです。昆曲なので、さすがにあれは歌ってないよ。
映画のオファーがあるまで京劇を見た事がないなんて思えないです。 すごい努力だと思います。
『Mバタ』ネタはまた追い追い。
リンリン
2011/04/10 09:32
哥哥の吹き替えの件ですが、北京語の長い台詞は、楊立新さんという俳優さんですね(クレジットに名前は出ません、以外にごつい人ですよ)。何処が本人の声か聞き分けるのもレスリーファンなら『涙もの』かも。だって本人の声聞きたいですよね。
歌は吹き替えじゃないと言ってしまいましたが(多分戦場での虞姫の歌い始めは本人)何故男の声と思ったかはキーが違うからなんですが、男旦さんが吹き替えてたんです!北京京劇院にいらしてもう定年になられた『温如華さん』です。こちらは超イケメンのオジサマです。
最近若手さんもいまして(文化解放か?)嬉しい限りです!綺麗所を(?)紹介しときますね。
譚正巖さん1979年生れ。カワイイ〜〜〜〜(ハート)
国家京劇院二団には、玉三郎のお兄さんと『牡丹亭』をトリプルキャストで演った劉錚さん(見た目普通のお兄ちゃんなんだけど舞台はすごく可愛いですよ〜(キヤ〜!)、女の子と同じキーで歌えます。
同じ団の楊磊さん(イケメンです!)。
北京京劇院には、梅葆玖老師のお弟子さんの胡文閣さんがいます。(シャオサー!)
女が男のファンになる⇒正常でしょ?(笑)
リンリン
2011/04/14 17:03
リンリンさん、うわ〜、知識が満載ですね!
チャン・フォンイーが嫌だったということは、レスリーはマッチョタイプよりは美形好み?!

そうか、レスリーの歌、吹き替えの部分もあったんですね。京劇はイケメンさんが多いんですね。化粧で素顔は隠れてしまうけど、美形の人は目鼻立ちがすっきりとして、やはり舞台で映えるんでしょうね。そりゃー女子は萌えますね(笑)。
ぴむ
2011/04/16 11:44

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