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zoom RSS ダーウィンの悪夢(ネタばれあり)

<<   作成日時 : 2007/01/27 19:20   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 7 / コメント 6

ある日、一人の男が湖に放流したバケツ一杯分の幼魚。
そこから悪夢が始まった・・・。

といってもこれは、ホラー映画の話ではありません。
が、それ以上に恐ろしいドキュメンタリー映画です。

B000PIT0RQダーウィンの悪夢 デラックス版
ドキュメンタリー映画 フーベルト・ザウパー
ジェネオン エンタテインメント 2007-07-06

by G-Tools


【公式サイト】
http://www.darwin-movie.jp/

アフリカ・タンザニアのヴィクトリア湖畔の村を舞台に、
環境破壊と貧困の現状に迫るドキュメンタリー。

マイケル・ムーアなどの映画とは違って、
監督はまったく顔を出さず、
関係者のインタビューと、村の情景を切り取った
映像だけで淡々とつづられていきます。

なので、ともすると眠たくなったりするのですが、
時折挿入されるショッキングなシーンが、
ハッと目を覚まさせてくれます。

失業者、ストリート・チルドレン、売春婦。
飢えや病気に苦しむ人々。
そんな人たちの飢えをかろうじて癒しているのが、
腐った魚のアラだとは・・・。

魚のアラは、先進国に輸出した魚の、いわば食べ残し。
それを糧に、飢えと不安の中で生きる人々。
まるで現代版『怒りの葡萄』。いや、
「怒りのナイルパーチ」ですね、これは・・・。

湖を征服した肉食魚ナイルパーチが
国際的な産業となったときから始まった
「悪夢のグローバリゼーション」。
輸送機は魚だけでなく、なんとヨーロッパの武器商人の
武器まで運んでいました。
アフリカの内戦地帯に密輸して、儲けていたのです。

ここまでくるともう、あいた口がふさがりません。
先進諸国は、発展途上国をどこまで踏みつけにしたら
気が済むのでしょうか。
そして我らが日本も、ナイルパーチの主要な輸出国として
このシステムにしっかり組み込まれているのです。

日本も加害者なのか・・・と罪の意識に苛まれてしまった人も
いるかもわかりませんが、日本の立場ってもっと微妙ですよ。

タンザニアのある村人は言います。

「昔はアフリカの中で資源を奪い合っていた。
今は世界中がアフリカの資源を奪い合っている。
そのいちばんの勝者はヨーロッパであり、
IMFが世界経済を牛耳っている。」


日本はそのIMFに、郵政民営化という名目で
莫大な郵政資産をあっさり委ねてしまいましたがな。
われわれ日本はアフリカ同様、
欧米から搾取される立場でもあるわけだ。

もう一人、タンザニアの漁業会社で
「一晩1ドル」で夜警をしている
男の言葉も忘れられません。

「戦争に行けば金になる。
政府が気前よく給料を支払ってくれるからね。
戦争になれば、みんななんとか暮らしていけるのに。
戦争は金だよ」


貧しい彼のこの言葉は切実ですが、
お金が欲しい人が戦争を望むのは、
日本も同じかもしれませんね。
今日本では、そういう人たちが何やら
憲法を変えようとしているみたいですが。

われわれ日本人はアフリカの貧困に心を寄せると同時に、
自らの国が欧米に身売りされないように、
心していないといけないのかもしれません。

最後に、エンドロールで、この映画に登場した
ストリート・チルドレンの名前が全員きちんと
クレジットされていました。

決して「名もなき者」ではなく、
日本の子供と同じように立派な
苗字と名前を持っているのに、親も家もなく
飢えと暴力と性的虐待の中で暮らしている子供たち。
胸が詰まってしまいました。

*フィリピンで、腎臓売買が合法化されるらしいですね。
さあまた新たな「悪夢のグローバリゼーション」の始まりです。
われわれ人類は、ナイルパーチのときより
もっと悪い夢を見ることになるでしょう。

ダーウィンの悪夢@映画生活


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タイトル (本文) ブログ名/日時
「ダーウィンの悪夢」ナイルバーチという魚の名前を知る
「ダーウィンの悪夢」★★★ 2004年、フランス=オーストリア=ベルギー ...続きを見る
soramove
2007/02/04 09:33
ダーウィンの悪夢
かつて、多様な生物の宝庫であったことから「ダーウィンの箱庭」といわれた、タンザニアのヴィクトリア湖。そこに、ナイルパーチという外来の肉食の巨大魚が放たれたことで状況が一変します。湖畔の町には、このナイルパーチを加工し、輸出する産業が誕生し、経済的には潤います。 ...続きを見る
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単館系の映画館の楽しみのひとつに予告編を観ること。どれも大作ではできない興味をひくものが多くある。その中のひとつが「ダーウィンの悪夢」でした。監督・製作・撮影:フーベルト・ザウパー 上映時間:112分-Story-アフリカのヴィクトリア湖は、多種多様な生物が棲む... ...続きを見る
たーくん'sシネマカフェ
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『ダーウィンの悪夢』'04・オーストリア・仏・ベルギー
あらすじ淡水湖では世界第2位の大きさを誇るヴィクトリア湖。そこは、生物多様性の宝庫であることから「ダーウィンの箱庭」と呼ばれていた。その湖に、今から半世紀ほど前、ささいな試みから新しい生き物が放たれた。この大食で肉食の外来魚ナイルパーチはもともと生息し... ...続きを見る
虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映...
2007/09/27 23:21

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
コメントありがとうございます。トラックバック制限中に申し訳ありませんでした。
映画は大変好きですので、じっくりと読ませて頂きます。
中国から見た中国と日本の違い、管理人
URL
2007/01/29 22:51
こういう映画だったんですね。
これは、特にアフリカの貧困や内戦に関して無関心な日本人は必見ですね。

アフリカの貧困の原因はヨーロッパにあり、そしてIMFは、その片棒をかついでおると。

ある程度その辺の構造、わかりかけてはいますが、より理解を深めるためにも見てみたいと思います。

ゴアの「不都合な真実」も、あわせてね。

本日ニュースでチェイニー氏が、「イラクの混沌は大統領4代まで続く」とのたまっておりました。この人、真性の悪人か馬鹿ですね。当事者意識もかけらもなし、反省もなし。


okapon
URL
2007/01/29 23:31
「中国から見た〜」の管理人さん、コメントありがとうございます。また遊びに行きますね。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
ぴむ
2007/01/30 00:22
おかぽんさん、こんばんは。
ついに見てしまいました。怖い話でした。
アフリカの飢餓の様子なんて、最近はとんとテレビでも取り上げられませんからね。古い話ですが、私が子供の頃は「ビヤフラの子」とか結構有名でした。チェイニーそんなこと言っていたんですか。これまた開いた口がふさがりません…。私も次は「不都合な真実」いきますよー!
ぴむ
2007/01/30 00:26
ぴむさん こんばんは。
背筋が凍るというよりも、ぞぞぞーっと何度も血の気が引きました。ホラー映画なんかより怖い映画です。私はホラー絶対NGなんで、画面の衝撃度が予測できたこの映画どうしようかとかなり迷いましたが・・・観終わってから、これは今の日本に生きる日本人は観るべき(出来たら必須で!)映画だと強く思いました。
日本は政治に興味を持たせないように教育・情報操作されてますが、IMFのことなんかも含めて、もう少し世の中の流れの裏を見る目を養った方がよいのではないかと不安になります。知らない方が幸せなこともあるでしょうが、知らないと他者を平気で傷つけ、そのことにも気づかす、いつかはそのお鉢が自分に回ってくるのではないかと思います。
meihua
2007/02/21 02:09
日本の教育は「寝た子を起こすな」主義ですからねー。これでは自分で考え行動する力が育ちにくいと思います。アフリカの貧困といえば、ホワイトバンドキャンペーン、いろいろ批判があることは承知で当ブログにバナー貼っています。きっかけがファッションだろうがおしゃれ感覚だろうが、貧困について知ることがまず大切だと思うからです。世界の人口の三分の一はごはんが満足に食べられないという現実に、いつも思いをはせていたいですね。
ぴむ
2007/02/21 23:10

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