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zoom RSS 戦後民主主義の日/ 善き人のためのソナタ(06・独)

<<   作成日時 : 2007/07/19 21:50   >>

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7月19日は「戦後民主主義の日」。

1949(昭和24)年、新しい民主主義の到来を謳った青春映画
『青い山脈』が封切られました。


日本は戦後早々に民主主義を謳歌していたわけですが、
東ドイツが民主化したのは、1989年、
80年代も終わろうとしていたときでした。
ベルリンの壁崩壊のニュースは、私なんかの年代だと
まだまだ記憶に新しいです。

B000PWQS3G善き人のためのソナタ スタンダード・エディション
ガブリエル・ヤレド ウルリッヒ・ミューエ セバスチャン・コッホ
アルバトロス 2007-08-03

by G-Tools


公式サイト
http://www.yokihito.com/

壁崩壊の5年前の東ドイツ社会を背景に描かれたのが
この映画。
シュタージと呼ばれる秘密警察が、国民を監視していた
時代です。

そのシュタージの忠実な部員であるヴィースラーが、
ある芸術家を盗聴・監視しているうちに、
自由への情熱に目覚めていく…。
そんな話なのですが。
(以下ネタバレ全開なのでご注意ください)

主演のウルリッヒ・ミューエが、
終始無表情なのが印象的です。
初めて劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)の舞台を
見たとき、美しい主演女優クリスタ(マルティナ・ゲデック)に
会ったとき、ブレヒトの詩集に触れたとき、
はたまた自室に売春婦を読んで、空しい行為にふけったとき。
どんなときも無表情で、彼の心のうちは
見るほうが想像するしかありません。

唯一、ドライマンがピアノで弾いた「善き人のためのソナタ」を
盗聴マイク越しに聴いたときだけ、涙を流していたかな。
だからこのシーンは、邦題にもなるだけあって
やはり印象的です。

そんなヴィースラーだから、彼がいつから本当に
ドライマン=自由思想の味方になったのか、
最後までわからないんですよね。
そんなサスペンス含みの映画でもあります。

それゆえに、彼がいつ自由に目覚めたのかわからない、
描写が足りない、という声もあるみたいです。
私は、そこがイイと思ったけれど・・・

ヴィースラーを本当に変えたのは、
ピアノ曲「善き人のためのソナタ」だったのか、
ブレヒトだったのか、それとも…。

私はね、ヒンシュク覚悟で言うならば、

愛だろ愛

と思います(笑)。

ドライマンの盗聴を始める前、彼の舞台劇を見に行ったときに、
ヴィースラーは女優クリスタに心を奪われてしまったんだと
思いますね。

あんな美しい女性を恋人にしているのは、どんな男なのか、
二人はどんな恋人同士の時間を過ごしているのか…。
盗聴にはそんな興味もあったことでしょう。
そうやって任務を続けるうち、ドライマンを通して
いろんな自由思想に触れていくわけですが…。

映画終盤で、ドライマン告発の証拠物件を隠してやったのも、
すべてはクリスタのためだったと思います。
忠実なヴィースラーが国家を裏切る決心を必要としたその努力は、
空しい結果に終わるわけだけども…。

自分のこれまでの信念も人生も、すべて投げ捨てるくらいの
決心は、思想の変化だけではやはりなかなか。
恋心のなせるワザなんではと思ったり。

まーこんな見方、アカデミー外国語映画賞を獲ったほどの
この映画にとっては噴飯モノなんでしょうけど、
あえて言ってみました(笑)。

あとこれは、知人が教えてくれたトリビア。

映画中盤で、シュタージの若い職員が、食堂で仲間と
ホーネッカーをからかったジョークを言っているのを
うっかり上司に聞かれて、
「お前、そんなこと言って、どうなるかわかってるな!?」
と言われて真っ青になった後、
「冗談だよ」と笑われるシーンがあるのですが、

映画の最後、ヴィースラーが手紙開封係りに落ちぶれていた
同じ部屋の片隅に、その若い職員がいたっていう。
はは、気がつきませんでした…。(怖)


ラストシーンは印象的ですね。
壁崩壊後、ドライマンの新刊が華々しく
店頭に飾られるようになった書店。
社会が大きく変わったんだなあと思わせるシーンでした。

そしてヴィースラーの、書店での最後のあの一言…。
空しいばかりに思われた孤独な彼の人生が、
他の誰よりも輝かしいものになった瞬間でした。

人はあんな輝く一瞬のためにのみ、
生きているのかもしれませんね。
それを可能にしてくれるのは、
自由と、勇気と、芸術と、そして…

…やっぱり愛でしょう!!
(結局またそこかーい!)

【関連記事】

「「母べえ」と「善き人のためのソナタ」- - 自由にものが言えない世界」(ペガサス・ブログ版)



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