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zoom RSS やっと見た「靖国」

<<   作成日時 : 2008/10/14 22:40   >>

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上映中止問題が起こったときは、
このブログでもさんざん怒りをぶちまけていたのに、
実はまだ鑑賞できていなかった映画
「YASUKUNI -靖国-」を、
しんゆり映画祭」でやっと観ることができました。

B001BVZ50C靖国 YASUKUNI
刈谷直治, 菅原龍憲, 高金素梅, 李纓
CCRE 2008-10-01

by G-Tools


靖国神社には、私も行ってみたことがあります。
武道館へいくついでに、どんなところか一度見てみようと思って
寄ってみました(参拝はしないけどね)。
拍子抜けするくらい静かで、一見、ふつうの神社でした。

それが、8月15日にはあんなすごいことになるんですねー、
この映画を見ると。
君は8月15日の靖国神社を見たか!? 
これはたいへんな見ものです。
軍国コスプレ行進あり、「天皇陛下万歳」のシュプレヒコールあり
署名活動あり、たいへんな狂騒ぶり。
石原慎太郎等、特別ゲストもやって来ます!
これらは中国のリ・イン監督が、10年にわたって
自ら記録した映像だそうです。
(真正面からの撮影、決して盗撮ではナイ)

そりゃーこんな光景を外国人が見たら、
「なんじゃコリャ」ってものすごいカルチャーショックを受けるに違いありません。
日本人の私だってびっくりしたもの。
境内にいた、星条旗を掲げたアメリカ人に、誰かが
「ヤンキーゴーホーム」とか「毛唐」とかって、
今の時代にそんなことをマジで言う人がいるとは思わなくて、
私としては、戸塚ヨット映画を見たとき以来の失笑でした。

そんな大騒ぎとは対照的に、
ある刀鍛冶の老職人が、手を真っ黒にしながら、
一振りの「靖国刀」を完成させていく寡黙な姿も
映し出されていきます。

刀は日本にとって象徴的なものです。
「刀」といわれて、「人殺しの道具」と答える日本人はあまりいないのではないでしょうか。
拳銃は人殺しの道具、と抵抗なく答えても、刀といえば「武士の魂」とか
「伝統美」とかそんなイメージがまず浮かぶのではないでしょうか。
刀は人を斬る以外に使われることはないものなのに、不思議です。

リ・イン監督も、刀は日本人にとって特別なもの、ということを感じて、
それを靖国神社という、これまた特別な存在と共に描きました。
日本人の精神性ってなんなのか。それを浮き彫りにしたかったのだと思います。

上映中止問題が巻き起こったとき、刀鍛冶の老人のシーンを削除しろ、
なんていう騒ぎがありましたが、
あのシーンがなかったら、この映画は作品として成立しないです。
削除なんてとんでもない。映画への冒涜。
刀匠の刈谷さんに圧力をかけた政治家に、またまた怒りがわきました。

そして、上映中止問題が巻き起こったというのは、
この映画にとって、これまた非常に象徴的な出来事だったと思います。

8月15日に靖国で行われていることを記録したフィルムが
上映けしからん!というのなら、それは右翼の方たちが
「自分たちがやっていることを見られたくない」ということに
なってしまうではありませんか。
それでは自分たちの活動そのものを否定していることになってしまい、
抗議の仕方としてはちょっとヘンではないでしょうか!?

それとも、映画の最後のほうに、
日本兵が中国人を虐殺している写真が出てくるのを見て、
それがけしからん! ということでしょうか。
でもそれって、映画のほんの一部でしかありませんし、
その写真が嘘か真か、見て愉快か不愉快かは、
見た人それぞれの受け止め方でしょう。
それなのに、数枚の写真だけを見て、
映画全部を「上映中止!」なんでしょうか。

ほんとにヘンだなあ。
こと靖国の問題となると、日本人はすごくセンシティブになる。
それこそ、この映画が掘り下げたかったことだし、
日本人は靖国をどう考えるのか、という、
映画最大のテーマにもつながる現象だったと思います。

さて上映終了後、助監督の中村高寛さんのトークショーがありました。
中村氏は「ヨコハマメリー」の監督でもあります。

上映中止騒ぎが起こったときは、自身の映画製作がストップしてしまうほど
ご苦労も心労もあったようです。
よくあるゲスの勘ぐり、「宣伝になってよかった」
なんてことではなかった模様。

助監督の話によると、リ・イン監督が靖国神社について
取材をする上で、「中国人」と言っただけでシャットアウト
されてしまうことが多々あったそうです。
だから助監督を初め、日本人スタッフのフォローが不可欠だったそうですが、
小泉政権のときは、特にそういう風当たりが強かったそう。
小泉首相のものものしい参拝シーンは、映画の中にも出てきますけどね。


首相の靖国参拝賛成派の人は、よく
「一国の首相が戦没者に敬意を表し、平和を願うことが
なぜいけないのか」
というけれど、それは靖国神社の本質をまだよくわかってない人の言だと
私は思います。

靖国神社は、戦後、平和を願う神社に変わったわけではない。
その本質は戦前も戦時中もそして今も、変わらない。

じゃその本質って何よ?
と思ったら、この映画を観てください。

その本質を理解したうえで靖国を肯定する人は筋金入りだと思うし、
そういう筋金入りの人に対して、私は何も言えないけれど
(言ったら映画にあったみたいに、ヘッドロックかけられそうだから(笑)、

中途半端な「わかったつもり」や、「私にはカンケーない」 
がいちばんいけない。
本質を知らないから、一部政治家たちの
「平和を祈りに行っています」という言葉に
簡単にごまかされてしまう。それがいちばん、情けない。

すぐれたドキュメンタリー作品であり日本人必見の映画です。
外国人監督だからこそ、踏み込めた内容だと思うからです。
その勇気ある問題提起に、ぜひ私たち日本人は、
観てそれぞれの答えを見つけようじゃありませんか。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
神社というのは、一つのパワースポットとか防塁の役をするとか、いろいろな話がありますね。
「カミ」を祭る「オンレイ(オンリョウ)」を祭る「なにやらわからないもの」を祭るとか。
エネルギーを集合したり、分けたりするところとしての機能があるといいます。
「カミ」というものは善し悪しがないもので、善し悪しは、それを利用する人間の価値観に左右され、また作用するそうです。
では「靖国」は?
少なくとも、すごいエネルギーがありそうですね。
ホントに、それを利用しようとする人間次第だと思います。
ソナム
2008/10/16 22:21
靖国神社のパワーはいまだ衰えず、といったところですね。首相や閣僚までひきつけてしまうんですから。

合祀に反対する台湾原住民と韓国の人たちが、神社に抗議に行くシーンも印象的でした。魂を祖国に帰せ、家族の元に返して、というのは当然の主張だと思うのに、なぜ彼らは門前払いされてしまうのか。
ひきつけたりはねのけたり、これも神社のパワーなんですかねえ・・・。

ぴむ
2008/10/17 10:11

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