ビキニスタイルの日/アトミック・カフェ(82・米)
7月5日は「ビキニスタイルの日」。
ビキニの原爆実験。といえばこの映画です。
ちなみに日本の漁船、第五福竜丸が被曝したのは、1954年3月1日の水爆実験でのことでした。
そのことももちろん出てきます。
【公式サイト】
http://www.takeshobo.co.jp/movie/atomic/
これまた80年代映画の傑作の一本。
アメリカの原爆狂想曲。
その核開発の歴史を、政府発のプロパガンダ映像と、
ニュースフィルムのみでつづっていくドキュメンタリーです。
監督はあのマイケル・ムーアの師匠でブッシュ大統領のいとこ(!)の
ケヴェン・ラファティら3人。
マイケル・ムーアが注目されたよしみで、2004年にリバイバル上映されたんですね。
んでめでたくDVDも発売と。
マイケル・ムーアの師匠らしく、重い題材を最後までポップに見せきりまっせ。
核兵器の歴史は、1945年ニューメキシコでの原爆実験から始まって、
そしてヒロシマ・ナガサキへ…。
しかしあの許されざるヒロシマ・ナガサキへの原爆投下も、
アメリカにとっては核の歴史の序章にしか過ぎなかったのです。
皮膚が焼け爛れた悲惨な被曝者の映像と、
「原爆のおかげで早く戦争が終わったよ~い♪」
と浮かれるアメリカ市民の映像が交互に差し挟まれる冒頭シーンには、
日本人として怒りを禁じえません…。
しかもバックには能天気な原爆ポップソング(?)が流れてるときた。
もうね、私思わず
おまいらも一回原爆落とされてみ
という言葉が、不謹慎ながらも頭の中をぐるぐる回っていたのですが、
実は! アメリカには一発どころか何百発もの原爆が落っこちていることが
後に判明いたします。
それは、1950年代のネバダ核実験場。
ここで何百回もの原爆実験が行われ、しかも原爆投下後の歩兵戦を想定して、
何十万もの兵隊たちが防護服もなしに実験に立ち会ったのです。
「放射能なんて、熱線や爆風に比べたらなんてことない」
と教育される兵士たち。
実験後、「わー、爆風で顔中砂だらけになっちゃった。あはは。」
とニコニコしている兵士たち。
この後この兵士たちはどうなったんだろう?
映画では描かれてないけど、気になってしまいますよね。
何万もの兵士が死にましたとさ
もしくは重度の原爆症に。
アメリカにも被爆者は数十万人もいるのです。
後にアトミックソルジャーと
呼ばれるようになりました。
それにしても、原爆雲の姿って恐ろしいですね。
この映画では、1946年のビキニの原爆実験の記録フィルムでもその姿を克明に見ることができますが、
なんだか、異常繁殖する気味の悪いキノコのようでもあるし、
巨大なモンスターがうごめいているようにも見えます。
それなのに、政府広報はいたってのん気。
各家庭に簡易シェルターを作って備えましょう、だとさ。
そういえばイギリスのアニメ映画「風が吹くとき」の中で、
老夫婦がベニヤ板でシェルターを作るという、思わず失笑なシーンがありましたが、
アメリカでは本気だったんですねー。
極めつけは、子供向けの教育アニメ映画「カメのバートくん」(画像左)。

「♪原爆が落ちたらどうするの?」
「♪Duck and Hide (伏せて隠れろ)さ!」
よい子はただちにカメさんよろしく、急いで机の下に隠れましょう♪
…て、
もう爆笑
思わずヒロシマの怒りを忘れました…。
あと、ソ連に原爆製造の秘密を漏らしたスパイ容疑で
逮捕された科学者のローゼンバーグ夫妻。
冤罪の可能性アリアリ、よもや有罪だったとしてもたいした秘密は持ちえなかった人たちなのに、
アメリカの共産主義アレルギーの嵐の中、なんと電気椅子で死刑に (1951年)。
幼い二人の子供たちを残して…。
これには泣いたね…。
というわけで怒ったり笑ったり泣いたり、忙しい映画鑑賞だったのでした。
それにしても悪い冗談としか思えない政府広報。
「放射能は無害です!」だの
「原爆落ちてもシェルターに入ってしばらくじっとしてれば大丈夫!」だの。
まるで狂気の沙汰ですな。
でも考えてみれば、自衛隊は軍隊ではないだの、死刑は残虐な刑罰ではないだの、
こういうのもきっと何か悪い冗談ですよね?
ああ、世界は狂気でできている。
★記事が面白かったら、クリックしてください↓★
人気blogランキングへ
他の映画記事を探す!
【記念日と映画の366日リスト】
1946年のこの日、フランスのルイ・レアールが、世界で最も小さい水着としてビキニスタイルを発表しました。
この発表の4日前に、アメリカがビキニ環礁で原爆実験をしたため、そこからヒントを得てビキニという言葉が使われたという説があります。
ビキニの原爆実験。といえばこの映画です。
ちなみに日本の漁船、第五福竜丸が被曝したのは、1954年3月1日の水爆実験でのことでした。
そのことももちろん出てきます。
![]() | アトミック・カフェ ケヴィン・ラファティ ジェーン・ローダー ピアース・ラファティ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
【公式サイト】
http://www.takeshobo.co.jp/movie/atomic/
これまた80年代映画の傑作の一本。
アメリカの原爆狂想曲。
その核開発の歴史を、政府発のプロパガンダ映像と、
ニュースフィルムのみでつづっていくドキュメンタリーです。
監督はあのマイケル・ムーアの師匠でブッシュ大統領のいとこ(!)の
ケヴェン・ラファティら3人。
マイケル・ムーアが注目されたよしみで、2004年にリバイバル上映されたんですね。
んでめでたくDVDも発売と。
マイケル・ムーアの師匠らしく、重い題材を最後までポップに見せきりまっせ。
核兵器の歴史は、1945年ニューメキシコでの原爆実験から始まって、
そしてヒロシマ・ナガサキへ…。
しかしあの許されざるヒロシマ・ナガサキへの原爆投下も、
アメリカにとっては核の歴史の序章にしか過ぎなかったのです。
皮膚が焼け爛れた悲惨な被曝者の映像と、
「原爆のおかげで早く戦争が終わったよ~い♪」
と浮かれるアメリカ市民の映像が交互に差し挟まれる冒頭シーンには、
日本人として怒りを禁じえません…。
しかもバックには能天気な原爆ポップソング(?)が流れてるときた。
もうね、私思わず
おまいらも一回原爆落とされてみ
という言葉が、不謹慎ながらも頭の中をぐるぐる回っていたのですが、
実は! アメリカには一発どころか何百発もの原爆が落っこちていることが
後に判明いたします。
それは、1950年代のネバダ核実験場。
ここで何百回もの原爆実験が行われ、しかも原爆投下後の歩兵戦を想定して、
何十万もの兵隊たちが防護服もなしに実験に立ち会ったのです。
「放射能なんて、熱線や爆風に比べたらなんてことない」
と教育される兵士たち。
実験後、「わー、爆風で顔中砂だらけになっちゃった。あはは。」
とニコニコしている兵士たち。
この後この兵士たちはどうなったんだろう?
映画では描かれてないけど、気になってしまいますよね。
何万もの兵士が死にましたとさ
もしくは重度の原爆症に。
アメリカにも被爆者は数十万人もいるのです。
後にアトミックソルジャーと
呼ばれるようになりました。
それにしても、原爆雲の姿って恐ろしいですね。
この映画では、1946年のビキニの原爆実験の記録フィルムでもその姿を克明に見ることができますが、
なんだか、異常繁殖する気味の悪いキノコのようでもあるし、
巨大なモンスターがうごめいているようにも見えます。
それなのに、政府広報はいたってのん気。
各家庭に簡易シェルターを作って備えましょう、だとさ。
そういえばイギリスのアニメ映画「風が吹くとき」の中で、
老夫婦がベニヤ板でシェルターを作るという、思わず失笑なシーンがありましたが、
アメリカでは本気だったんですねー。
極めつけは、子供向けの教育アニメ映画「カメのバートくん」(画像左)。
「♪原爆が落ちたらどうするの?」
「♪Duck and Hide (伏せて隠れろ)さ!」
よい子はただちにカメさんよろしく、急いで机の下に隠れましょう♪
…て、
もう爆笑
思わずヒロシマの怒りを忘れました…。
あと、ソ連に原爆製造の秘密を漏らしたスパイ容疑で
逮捕された科学者のローゼンバーグ夫妻。
冤罪の可能性アリアリ、よもや有罪だったとしてもたいした秘密は持ちえなかった人たちなのに、
アメリカの共産主義アレルギーの嵐の中、なんと電気椅子で死刑に (1951年)。
幼い二人の子供たちを残して…。
これには泣いたね…。
というわけで怒ったり笑ったり泣いたり、忙しい映画鑑賞だったのでした。
それにしても悪い冗談としか思えない政府広報。
「放射能は無害です!」だの
「原爆落ちてもシェルターに入ってしばらくじっとしてれば大丈夫!」だの。
まるで狂気の沙汰ですな。
でも考えてみれば、自衛隊は軍隊ではないだの、死刑は残虐な刑罰ではないだの、
こういうのもきっと何か悪い冗談ですよね?
ああ、世界は狂気でできている。
★記事が面白かったら、クリックしてください↓★
人気blogランキングへ
他の映画記事を探す!
【記念日と映画の366日リスト】
この記事へのコメント
アトミックカフェさいこー。歴史はくりかえされる・・・一度目は悲劇、2度目は喜劇、といいますが、こう何度も繰り返されると、一体私らどうリアクションすればいいの、って感じですが。「笑い」をベースにしたこのドキュメントは秀逸ですね。
しかし・・・てぽどん発車の(お笑い)北朝鮮に対し、僕らはどうリアクションすりゃいいんですかね?笑えばいい時限は、越えちゃいましたかね。
テポドンに対するリアクションは、もちろん「Duck&Hide」ですよ!!(爆)
まるで、いじめられっ子が遠くから石投げてくるような状態ですよね…。まともに反撃するのも大人げないかも? かなりビビリながら撃っているみたいですし。でもそろそろ「お前しつけーな!!やめろよ!!」くらいは言っといたほうがいいんですかねえ?