国際協力の日/ナイロビの蜂(05・英)

10月6日は「国際協力の日」。

外務省と国際協力事業団(JICA)が1987(昭和62)年に制定しました。
1954(昭和29)年、国際協力の第一歩として、
途上国への技術協力のために国際協力組織「コロンボプラン」に加盟した日で、
この日から1週間は国際協力週間となっています。


今日はアフリカを舞台に、NGO 活動家だった妻の死の真相を探る夫の物語。
原作はジョン・ル・カレの社会派小説です。

ナイロビの蜂ナイロビの蜂
ジョン・ル・カレ ジェフリー・ケイン フェルナンド・メイレレス


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


【公式サイト】
http://www.nairobi.jp/

原題は邦題とはぜんぜん違って、「The Constant Gardener」といいます。
「律儀な庭師」といったところでしょうか。
主人公ジャスティン(レイフ・ファインズ)は英国人らしくガーデニング好き。
外務省勤めのエリートながら、安穏な生活を好む平凡な人間でした。

そんなジャスティンが社会活動に身を捧げる
情熱的なテッサ(レイチェル・ワイズ)と知り合って、
恋に落ちるわけですが…。

結婚して共にアフリカに来たものの、まったく価値観の異なる二人。
貧しい家族を車に乗せてあげようと頼むテッサにジャスティンは、
「貧しい人は大勢いるのに、一人だけ救うわけにはいかない」と応じません。
見ている私たちもそう思いますよね。
(マザー・テレサは、「まず一人を助けなさい」と言ったそうですが…。)

そんな二人ですが、お互いの立場や考えを尊重しあい、仲むつまじく暮らしています。
たとえ外交官としての自分の立場が悪くなっても、
貧困救済活動にのめり込む妻に口出しをせず、温かく見守るジャスティン。

それが妻への最高の愛だと思っていたから…。

しかしテッサは何者かに殺害され、しかも不審な点が多々あることから、
ジャスティンは真相究明に乗り出します。

調査はまず、疑惑から始まります。
テッサは外交官であるジャスティンを利用するために近づいたのでは?
どうして黒人医師と二人っきりで、人気のない殺害現場の湖へ?
そして、テッサの浮気をほのめかす手紙も出てきて…。

テッサは本当にジャスティンを愛していたのだろうか。
価値観の違いゆえ、お互いに一定の距離を置きながら暮らしていた二人だけに、
その「距離」の意味が気になります。

しかし調査を進めるうち、
ジャスティンがまったく知らなかった事実が次々と明らかになっていきます。
アメリカの製薬会社「スリービーズ」が、アフリカの貧困者を新薬実験に使っていた、
それをテッサが暴こうとしていたなんて。

そんな大変なことを、どうして夫に相談しなかったのか?
事実が明らかになるにつれ、テッサの身の潔白が明らかになるにつれ、
テッサが置いた「距離」の本当の意味が、ジャスティンにはわかってくるのです。

お互いを理解し尊重し、過度の干渉をしないのが愛なのか。
それとも危険も何も、すべて分かち合うのが愛なのか。

夫婦愛の究極の命題をつきつけてくる映画でしたね。
最後にジャスティンが見つけた答えは、どちらだったでしょう…。

この映画、アフリカの貧困と先進国からの搾取、そして大企業と政治権力との癒着といった
社会問題を訴えたかったのか、
それとも一組の夫婦の愛の形を描きたかったのか、
どっちつかずの中途半端に陥ってしまったきらいはあるのですが、
それでも一見の価値のある映画です。

アフリカの貧困を作り出しているのは、他でもない先進国ではないかという事実を
突きつけられつつも、私はやはり、夫婦の愛の物語に重点を置いて見てみることを
おすすめしたいです。


(ところで私、レイフ・ファインズってけっこうファンかも (←今ごろ気づいた)。
彼の出てる映画はだいたい観ているし、
2000年にアルメイダ劇場のシェイクスピア劇で来日したときの公演も見に行っちゃったし。
彼ってイケメンですよねー♪
…でも、なんか地味…。友人にいわせると「色気がない」。た、確かにそうかも…。
でも、そんな地味ーな俳優さんが案外好きだったりする私なので、
これからも隠れファンでいようと思います。)


人気blogランキングへ

他の映画記事を探す!

【記念日と映画の366日リスト】

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2006年10月07日 12:42
レイフ・ファインズってよく知らなかったのですが、正統派舞台俳優だったのですね。どーりで演技力あります。
「レッド・ドラゴン」の不気味さ、「シンドラーのリスト」の将校の冷たさ。確かに整った顔ですね。英国人らしい。日本人では見あたらないタイプの。(あたりまえ?)
2006年10月08日 00:46
kotanさん、こんにちは。
レイフ・ファインズって実力派の俳優ですよね。どんな役をやってもすばらしいです!新作映画「上海の伯爵夫人」も10月に公開されるんですね。これは見に行かねば!
PiPi@ほうれい線が消えた!
2006年10月09日 11:53
はじめまして、ナイロビの蜂つながりで来ました。この映画がよさそうと上映前頃から聞いて、時間が出来た頃ふっと彼と一緒に行きました! 凄くしっかりとストーリーを忘れず書かれているので、かなり感動して読みました。一場面も逃していないことに乾杯ですね♪

フラット行って、帰りは二人の心が高まりそのまま継続しています。
その意味は二人で居られることの幸せと言ったのが、当てはまるかと思います。

壮大なスケールで現代を暴いた大きな意味を持つ内容に、あるカップルを登場させて人間がその狭間でいつも生きている現実を、監督は描くことでそれぞれの人としての役割や生き方をもメッセージとして入れ込んでいるのでしょうね!

WFPのボランティアに参加したり、講演を聴いたりして、自分なりのこれからのボランティアの関わり方を模索中です。
2006年10月09日 23:05
PiPiさん、コメントありがとうございます。カップルで観るには最適の映画でしたね。ちょっとテーマが重いですけど、いろいろ考えさせられました。私なんて結局考えるだけなんですけど、PiPiさんは行動に移そうとされているようで、すばらしいですね!