いい石の日/無能の人(91・日)

11月14日は「いい石の日」。

山梨県石材加工業協同組合が1999(平成11)年に制定。
「いい(11)石(14)」の語呂合せと、石工職人が尊ぶ聖徳太子の命日であるこの日を「太子講」としていたことから。


今日は、多摩川の河原で石を売る男の話。

無能の人無能の人
つげ義春 丸内敏治 竹中直人


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ダンナがつげ義春の原作漫画のファンで、家に本があったので読みました。
冒頭から、

「おれはとうとう石屋になってしまった」

て、あっけにとられる始まり方をします・・・。
多摩川の河原で拾った石をその場で売ってみても、売れるはずないじゃーん!!

映画のほうは、竹中直人監督第1作です。
わりと原作に忠実に映画化されています。
マンガに出てくる石屋の掘っ立て小屋も、イイ感じに再現されていますし。

主人公の助川助三を演じるのも竹中直人で、原作のイメージとはちょっと違うけど、
やはりうまい役者さんなんで、味わいたっぷりに演じています。
原作の助川は、ちょびヒゲはやして、貧相な夏目漱石みたいなんですよね。

漫画が描けなくなって、よりによって石屋になってしまった、
そんなダンナをもてあます奥さんの役は、風吹ジュンです。
原作でも諦観のカタマリみたいだった妻役を好演してます。

で、息子の三助役の子が、いかにも昭和の子供って感じで、いい味出してます。
ボウズ頭に赤いホッペ。
「父ちゃん、ぼく迎えにきたよ」
この一言で、現実逃避しがちな父ちゃんを現実世界に引き戻してくれます。

石屋を始めた助川は、なじみの古本屋で石愛好家の世界があることを知ります。
変わった形の石や趣のある石は、それなりの値段で売れるんだとか。


*こんなホームページを見つけてしまいました。深い、深すぎる…。
全日本愛石協会


それにしてもこの父ちゃんは、なんで次から次へとダメなことばっかり思いつくのか、
「ダメに生きる」というのは洋画「ゴーストワールド」のキャッチコピーですが、
この映画にもまさにピッタリ。

だって映画の中盤にしてもう、

「虚無僧って儲かるのかな」

こんなこと言ってるようじゃもうオシマイでしょ!!

しかしそのダメっぷりが、おかしくておかしくてたまらないんですよね。
最初から最後まで、クスクス笑いっぱなしでした。
ひたすら自分をダメなほうに追いやってしまう心理って、
誰もが多かれ少なかれ、思い当たる節があったりするからかもしれませんねえ。
まー家族はたまらんけど。

原作漫画はそんな無能の人の日常を淡々と描いていたと思うのですけど、
映画のほうは家族三人が手を繋いで、仲良く家路に着くシーンで終わります。
この世にたった三人のこの家族は、この後どうやって生きていったのやら…。

さてこの映画には竹中直人の人徳なのか? 豪華ゲストがいっぱいカメオ出演しています。
井上陽水、泉谷しげる、三浦友和、ワハハ本舗の面々、つげ義春とその奥さん、
鈴木清順監督、神代辰巳監督……蛭子能収だけは、どこに出ているのかわからんかった(笑)。

あとカメオじゃないけど、故マルセ太郎や、いとうせいこうも出ているんですよね。
今見るとなかなか面白い。神部浩の怪演もツボでした。

GONTITIのウクレレ音楽も心地よいです。

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この記事へのコメント

2006年11月15日 11:47
ト・ホホ感が強い映画でしたね。こんなやつどっかに絶対いるだろうな、みたいな。

竹中直人はあんまり好きな役者じゃないけど、この映画は今、また見てみると別の発見があっておもしろいかもしれません。
2006年11月15日 23:13
竹中直人は、お笑い芸人だった頃が懐かしいですね。ところでこの映画、見直してみるとカメオ出演で気づいてないのがいっぱいあって、面白かったですよ。DVD副音声で監督のコメンタリーもついてるから、裏話が聞けるのも楽しかったです。機会があればぜひ。