世界食糧デー/ それでも生きる子供たちへ (05・伊=仏)
10月16日は「世界食糧デー」。
国連食糧農業機関(FAO)が1981年に制定しました。
国際デーの一つで、発展途上国の人々が食糧不足で
苦しまないためにはどうすればいいか考える日です。
FAOが設立されたのが1945年のこの日ですから、
それを記念日としたわけです。
ほっとけない、世界の貧しさ。
…も応援している、この映画をどうぞ。
7人の映画監督による、7つの物語で構成された
オムニバス映画です。
それぞれの監督が、自国の恵まれざる子供たちの姿を
20分前後の短い時間の中で、描き出していきます。
発展途上国の話だけではありません。
エイズ差別に苦しむアメリカの少女や、
イギリスでは報道カメラマンの苦悩が描かれます。
さてあなたは、どの物語が好き?
なんて話もはずみそうな映画です。
ルワンダの少年兵に胸を痛め、
どこかユーモラスなセルビアの少年院の描写にクスリと笑わされ、
ゲーム感覚でゴミ拾いをするブラジルの兄妹のたくましさに
勇気づけられ、
ヨーロッパの先進国イタリアに、泥棒で生計を立てる
子供たちがいる現実に、考え込んでしまったり…。
そして大トリは中国のジョン・ウー監督で、
裕福な少女と貧しい少女の、ひとときの交流の物語が、
もうとってもベタな感じで(笑)描かれていきます。
捨て子の少女が優しいおじいさんに拾われて育てられ。
でもそのおじいさんが死んじゃって、
仕方なく身を寄せた花売りの親方に殴られて…。
・・・てもう、日本にも昔あったみたいな超ベタな話なのに、
最後はまんまと号泣させられちゃいます!!
この最後のエピソードで初めて、
裕福なのに心が満たされない子供の問題がとりあげられていて、
よかったと思いました。
貧しい子供の現状に思いを馳せようというのがこの映画の
主旨だと思うけれど、裕福なのに満たされない子供の問題も
やっぱり忘れてはならない気がして。
最後に貧しい女の子・小猫(シャオマオ)が、
お金持ちの少女にあげた一輪の花。
そんなことしたらまた親方に殴られるのに、
どうして、あげることができるの?
と思ったら、シャオマオの心の豊かさに
泣けてきてしまうのでした。
日本の子供たちも、シャオマオみたいな
「本当の豊かさ」をなくしてしまったんじゃないかと
心配になります。いや、まず私たち大人がか・・・。
しかし、どのエピソードも子供たちの悲惨な現状を描いているのに、
なぜか鑑賞後の印象が爽やかなのはなぜでしょう。
たくましく生きる子供たちに、力をもらえるからかなあ。
それから、教育の大切さということも見にしみる映画です。
最初のエピソードの少年兵も、最後のエピソードのシャオマオも、
いつか学校にいくことが夢だったんです。
そして、ブラジルのゴミ拾いの少年たちにしても、
子供のうちはゲーム感覚でゴミ拾い生活ができても、
このまま学校にも行けなければ、大人になってもやはり
社会から疎外された存在になるしかないのだから・・・
「どうして勉強なんかしなきゃいけないんだよお」
なんて言っている日本の子供たちは、本当に幸せです。
近くにそんなこと言う子供がいたら、
黙ってこの映画を見せてやれ(笑)
あーもう、思い出すと泣けてきてしまうこの映画。
恵まれない立場の人たちへの同情心さえ忘れがちな
今の日本の生活の中、ぜひ多くの人に見てほしいです。
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この記事へのコメント
人間は選択の自由を持つからこそ人間だと思います。だから、弱肉強食の連鎖から抜け出ることができました。
子どもが、より良い選択のために学ぶことは人間らしく生きるための権利ではないでしょうか。つまり「どうして勉強…」などと言っている子どもは権利を知らないだけでしょう。子どもは卑怯は嫌いですから、この映画を見れば、何か感じることを持つでしょうね。
先日韓国の俳優がユニセフの活動をすることになりましたが、彼を推薦したアンドレ・キム氏が「昔韓国はユニセフの援助を受けた。今度は自分たちがして当然だ」というようなことを言っていました。
日本の戦後もそうであったのですから、日本人は陰徳を積むのが美徳ではありますが、もっと率先して善を行う姿で、子どもたちを導いてほしいものです。
(…と、たまには真面目に考えました。)
ユニセフの件もまったくその通り。
たまには真面目に考えてみることも、とても大切ですよね…。
ほそぼそはちょっと寂しいから、これからは「ロハス」でいきましょう!健康にも環境にも優しい暮らし、私はだから自転車で~って、結局、貧乏ロハス・・・。
この映画を観たら、いろんなことを考えてしまいますよね。貧しい国の子供たちは、日本の子供よりも瞳が輝いていると思うこともあります。学校へ行って勉強ができる!ということを、幸せと感じる心があるんですもんね。
お金を寄付することも助けになるかもしれないけど、かいさんはまだ小6なのだし、今はまだお金よりも、貧しい国はどうして貧しいのかとか、どうしたらよくなるのかとか、世界ではどんなことが起こっているのかとか、世界の歴史とか、いろんなことを勉強するのがいいのではないかなと思います。学校の勉強だけでなく、自分でもいろいろ本を読んだり、映画をみてはどうでしょう。きっと将来、大きな力になると思いますよ。