イランのちびまる子ちゃん!?「ペルセポリス」

今日はアカデミー賞の発表がありましたね。
監督賞・作品賞では、コーエン兄弟の
「ノーカントリー」に軍配が上がったようですね。

さて、長編アニメーション部門にノミネートされていたこの映画。
(惜しくも賞はネズミに引いてかれたようですが・・・。)

「ペルセポリス」

画像


テレビか何かで紹介されているのを見て、
第一印象はともかく「絵がかわいい!」でした。
手塚治虫のマンガを思わせるような、
丸っこいキャラとどこか懐かしいモノクロ風情。

しかも内容は、イランの女の子の成長物語とか。
中東の国といえば、女性は外出時にヴェール着用が
義務づけられていたり、なかなかたいへんなお国柄です。
そんな中で女の子たちは、
何を感じてどんな風に暮らしているんだろう?
これは見なきゃと思ってました。

原作は、いわゆる反体制文学として有名みたいですね。
映画版の監督も努めたマルジャン・サトラピの
自伝的マンガ作品です。

490178465XペルセポリスI イランの少女マルジ
マルジャン・サトラピ 園田 恵子
バジリコ 2005-06-13

by G-Tools


さて映画版は、すごく味わい深いアニメーションでした。
政変、戦争、女性差別といった社会批判がテーマながら、
ポップでコミカルもな要素も取り入れられていて、
そのバランスが絶妙。

少女時代のまるちゃん、じゃなかったマルジャンは、
ブルース・リーが大好きだったり、おばあちゃんと
ゴジラの映画を見に行ったり、
アジア大衆文化もきっちりイラクに入り込んでいたんですね。

ちびまる子ちゃんじゃないけれど、
マルジだって本当は、ごくごく普通の女の子。
恋愛、反抗、孤独、疎外感といった、
青春時代に誰もが体験しそうなことに
悩みながら成長していく姿は、
誰が見ても共感できます。

しかしマルジの日常は、70~90年代の激動のイランに
生まれたがゆえに、波乱に満ちたものになっていきます。

どんな人の人生も、国や社会の情勢ってものを
背負いこんでしまうものなんですね。
「そんなの関係ねぇ!」と思いたくても、
知らず知らずのうちにそうなっているものなのか。

権力、戦争、そういったものへの批判と同時に、
差別についてもきっちり描いてあるなと思いました。

男性に侮辱されて悔し涙を流すマルジのママ。
留学先のヨーロッパで、何かと「イラン人は~」と言われて
ブチ切れるマルジ。
差別される悔しさは、実際体験してみないと
なかなか分からないものですが、
この映画ではその痛みが伝わってくるようでした。

そんな重たい出来事に落ち込んで、ふさぎこんだかと思うと、
次のシーンでは懐かしや、
サバイバーの「アイ・オブ・ザ・タイガー」を歌いながら
現実に立ち向かっていくマルジ。
このポップ感覚がたまりません。

うーん、やっぱりこの映画にアカデミー賞をあげてほしかったな。
ちなみにタイトルの「ペルセポリス」とは、
イランの古都の名前とか。
そういえば世界史の教科書に出てきたかな?

見に行った昨日の新宿の劇場は、
お客さん少なかったです。
日本のアニメファンよ、こういうアニメも見なきゃダメよ。

「ペルセポリス」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

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