「母なる証明」

4344413830母なる証明 (幻冬舎文庫)
幻冬舎 2009-10

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ウォンビン復帰第一作は、
殺人の追憶」、
グエムル」の
ポン・ジュノ監督最新作ということで、期待大でしたが、
やはり、一筋縄ではいかない衝撃作でした。

美形スターのウォンビンが、このような役柄に挑戦していたとは
思いも寄りませんでした。
軽い知的障害のあるらしい、ちょっと変わった青年を演じています。
視点も思考も感情も一つところにとどまることなく、
どんどん移ろっていってしまう、
つかみどころのない不思議な青年を
見事な説得力で演じていました。

そして「韓国の母」と言われるという、キム・ヘジャですね。
子供のためならどんなことでもする母親・・・
というと、先日見た「私の中のあなた」の
キャメロン・ディアスと、ちょっとカブりました。

こちらは白血病の娘を救うために、
遺伝子操作で臓器提供用の子供をもう一人作るという、
実際にあった話を映画化したものでした。

それから、キネ旬に「チェンジリング」と比較した評論もあって、
そうそう、これも強烈な母親像だったな、と。

この3本はまさに、「母性という狂気」を
描いているのかなと思いました。
母の愛は海より深く、でもときに狂気をはらむのだなあ。

「私の中のあなた」は、遺伝子操作や
臓器移植といった問題が、
結局は甘口のホームドラマに置き換えられていくことに
批判もあるかと思いますが、
最終的には「運命を受け入れることの大切さ」を描いていると思うので、
私は嫌いではないんですよね。

そしてこの「母なる証明」はというと・・・
「私の中のあなた」とは真逆に、
すごーくシビアな展開になっていきます。
「チェンジリング」より、ある意味厳しい・・・。

「殺人の追憶」に出てきたような田舎町で、
女子高生が殺害され、
そのとき現場近くにいたトジュン(ウォンビン)が
逮捕されてしまう。

純粋無垢な息子が殺人など犯すはずがない。
そう信じる母親(キム・ヘジャ)は、
世間から孤立していきながらも、
自ら真犯人を突き止めていくのですが・・・

母親の真犯人探しの過程は、
途切れ途切れに蘇るトジュンの記憶とも
あいまって、とてもスリリングで
サスペンスに満ちています。

そして、事件の鍵を握る人物を突き止めたとき、
そこからはもう、さらに息を呑む展開になっていきます・・・。

ラストシーンは、意見が分かれるでしょうね。
許せない、と思う人もいるかもしれません・・・。

「わが子を救いたい」という母親の究極のエゴ。
エゴではあっても、それはやはり美しい。
この映画も、「私の中のあなた」も、
そういってるような気がします。
やっぱり、母親賛歌と見ていいのだろうか、
と思います。

「母なる証明」の映画詳細、映画館情報はこちら >>






ウォン・ビン主演 母なる証明(マザー) OST
韓国

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キネマ旬報 2009年 11/1号 [雑誌]
キネマ旬報社

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