観察映画「Peace」を観察する

選挙」「精神」に続く、観察映画第三弾(番外編、だそうですが)、
「Peace」を見ました。

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想田和弘監督の「観察映画」に「選挙」以来すっかり魅了され、
観続けてついに第3弾となりました。
私も観察映画を観察しているかも・・・ははは。

しかしタイトルが「Peace」とは、随分大きく出たなあと思いました。
「選挙」「精神」ときて、次が「Peace」なんて
人類にとって究極のテーマをタイトルに掲げてしまったら、
これで観察映画は終わってしまうんでは!?
・・・なんて、要らぬ心配をしてしまった。

が、映画を観てみたら、「Peace」とは、映画に登場する
独居老人が吸っているタバコの銘柄なのだった。・・・ほっ。
(今も缶ピースがあったらよかったのにね。なんとなくそう思う)

なあんて、ほっとさせておいて、その実この映画には、
やっぱり深~いテーマが隠れているのだった。

映画は、ボランティアで障害者や独居老人のお世話を続ける
老夫婦の日常を映し出していきます。
このご夫婦、実は想田監督の義理のご両親なんだそうで。
舞台は前作の「精神」と同じ、岡山市の郊外です。

ボランティアする人、される人、そしてネコたち。
その姿から浮かび上がってくるものとは・・・

音楽もナレーションも一切なし、起こった事実だけが淡々と映し出されていく観察映画。
「なんだ、こういうやり方でいいなら誰でも撮れるやん?」とも思える観察映画に、
どうしてこんなにも魅力を感じてしまうのでしょうか。

それはやっぱり、「切り取り方」なのかなあ、と思います。
撮った映像の中から、何を取り上げ、何を捨てるのか。
その切り取り方と見せ方に、作り手の感性がとても感じられるのです。

個人的な感想をいうと、その感性が、なんとも自分のツボにはまってしまう。
少し足の不自由な男性が、車で買物につれていってもらって、
郊外の靴安売りセンターみたいなところで、
ものすごくこだわって靴を選んでいる様子とか、
なんだかとっても味がある・・・。

社会福祉予算がどんどん削られていく理不尽な現実や、障害者に対する偏見、
生活保護で暮らす独居老人、そういう事実を訴えるだけでなく、
彼らのどこかユーモラスな姿を、観察映画のカメラはきっちり捉えているのです。

そしてもちろん、ユーモラスなシーンばかりでなく、
思わずジーンとしてしまうシーンも。

もし独りぼっちになっても、手を差し伸べてくれる人がいる。
困っている人(ないし困っているネコでも)が、自分の横にいたら、ほっとけない。
それが人間という生き物の、いいところなのかなあと思いました。

原発事故なんかが起こってしまって、
人間の愚かさばかりが思いやられる日々なのですが、
やっぱり人間のよさも思い出さないとね。
心が平和になれる一本です。

・・・さあ、「選挙」「精神」「Peace」と来たら、次はなんだ!?
と、「選挙」の感想以来言い続けるこのブログでした(笑)。
次回作も、観察させてもらいます!!

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