法律扶助の日/それでもボクはやってない(07・日)
1月24日は「法律扶助の日」。
お金がないと、ちゃんとした弁護士さんも雇えない、
保釈金も払えない。
自分が悪いことをしたならまだしも、
無実で逮捕されちゃった日には・・・
というのが他人事ではないかもしれない。
今話題のこの映画、観てきました。
【公式サイト】
http://www.soreboku.jp/index.html
周防正行、「Shall We ダンス?」以来11年ぶりの監督作。
今回はコメディではなく、シリアスもシリアス、
矛盾だらけの日本の刑事裁判制度を告発します。
「疑わしきは犯罪者、懲らしめて当たり前」
みたいな雰囲気って、今日本中にみなぎってないかい。
それがどんなに危険で、人権を無視した考えなのか、
この映画を見たらよくわかります。
真実を追求する場であるはずの刑事裁判が、
まるで魔女裁判かガリレオ裁判みたいなことに
なってしまっている。
そんなことを思わせるタイトルです。
私たちが普段あまり身近に感じることのない
刑事裁判の過程をテンポよくわかりやすく見せてくれ、
2時間23分の長さを感じませんでした。
裁判映画ってともすると単調になりがちなのに、
これはすごい。
上映中すべてが驚くことばかりで、
「こんなんでいいのかよ日本の裁判」と思いますが、
それがストレートに監督の狙い。
問題だらけの日本の裁判をリサーチするうちに、
使命感にかられてこの映画を作ったのだそうです。
監督の問題意識は、要所要所で
人権派弁護士役の役所広司を始め、
登場人物たちの直接のセリフとして表現されます。
「裁判になったら有罪率は99.9%」
「無罪判決で警察や検事のメンツをつぶしたら、
裁判官は出世できない」
「裁判で一番大切なことは、
決して無実の人間を裁かないこと」
うーん、ド直球です。
しかしこのド直球をあざといと見るより
まず心にズシーンと響いてしまうのは、
私たちが普段いかに刑事裁判というものに
知識と関心が薄いかということでしょうか。
ともかく見ごたえのある作品だし、
2009年までに裁判員制度が始まると言われている中、
日本人なら必見とも言うべき映画です。
そんなリアルな映画でありながら、娯楽大作映画として
成立させたこともすごいことです。
そんな中で、この映画の唯一の弱点というか欠点かと思うのは、
「もし自分が裁判官だったら有罪にするか無罪にするか」
そういう見方ができにくいと思うのです。
あまりにも無実の主人公、加瀬亮に肩入れして見てしまうから…。
見終わって、周防映画なのに笑いが少ないなーと思ったけれど、
考えてみればこんな無茶苦茶な日本の裁判制度そのものが
お笑い種ということなのでしょうか。
…いやいやそんなことを言っていたら、周防監督に怒られそうです。
それくらい、監督の気迫が伝わってくるような作品でした。
*周防監督のブログで、この映画の感想トラックバックを募集していますよ↓*
http://soreboku.cocolog-nifty.com/blog/bosyu/
・それでもボクはやってない@映画生活
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法律扶助制度を行っている法律扶助協会が1993(平成5)年に制定。
1952(昭和27)年、日本弁護士連合会が法律扶助協会が設立しました。
法律扶助とは、資力がない為に、
法律による保護を受けられない人に対する社会的扶助のことです。
この日を中心に、全国の指定された弁護士事務所で
無料法律相談が実施されます。
お金がないと、ちゃんとした弁護士さんも雇えない、
保釈金も払えない。
自分が悪いことをしたならまだしも、
無実で逮捕されちゃった日には・・・
というのが他人事ではないかもしれない。
今話題のこの映画、観てきました。
![]() | それでもボクはやってない スペシャル・エディション(2枚組) 加瀬亮 周防正行 瀬戸朝香 東宝 2007-08-10 by G-Tools |
【公式サイト】
http://www.soreboku.jp/index.html
周防正行、「Shall We ダンス?」以来11年ぶりの監督作。
今回はコメディではなく、シリアスもシリアス、
矛盾だらけの日本の刑事裁判制度を告発します。
「疑わしきは犯罪者、懲らしめて当たり前」
みたいな雰囲気って、今日本中にみなぎってないかい。
それがどんなに危険で、人権を無視した考えなのか、
この映画を見たらよくわかります。
真実を追求する場であるはずの刑事裁判が、
まるで魔女裁判かガリレオ裁判みたいなことに
なってしまっている。
そんなことを思わせるタイトルです。
私たちが普段あまり身近に感じることのない
刑事裁判の過程をテンポよくわかりやすく見せてくれ、
2時間23分の長さを感じませんでした。
裁判映画ってともすると単調になりがちなのに、
これはすごい。
上映中すべてが驚くことばかりで、
「こんなんでいいのかよ日本の裁判」と思いますが、
それがストレートに監督の狙い。
問題だらけの日本の裁判をリサーチするうちに、
使命感にかられてこの映画を作ったのだそうです。
監督の問題意識は、要所要所で
人権派弁護士役の役所広司を始め、
登場人物たちの直接のセリフとして表現されます。
「裁判になったら有罪率は99.9%」
「無罪判決で警察や検事のメンツをつぶしたら、
裁判官は出世できない」
「裁判で一番大切なことは、
決して無実の人間を裁かないこと」
うーん、ド直球です。
しかしこのド直球をあざといと見るより
まず心にズシーンと響いてしまうのは、
私たちが普段いかに刑事裁判というものに
知識と関心が薄いかということでしょうか。
ともかく見ごたえのある作品だし、
2009年までに裁判員制度が始まると言われている中、
日本人なら必見とも言うべき映画です。
そんなリアルな映画でありながら、娯楽大作映画として
成立させたこともすごいことです。
そんな中で、この映画の唯一の弱点というか欠点かと思うのは、
「もし自分が裁判官だったら有罪にするか無罪にするか」
そういう見方ができにくいと思うのです。
あまりにも無実の主人公、加瀬亮に肩入れして見てしまうから…。
見終わって、周防映画なのに笑いが少ないなーと思ったけれど、
考えてみればこんな無茶苦茶な日本の裁判制度そのものが
お笑い種ということなのでしょうか。
…いやいやそんなことを言っていたら、周防監督に怒られそうです。
それくらい、監督の気迫が伝わってくるような作品でした。
*周防監督のブログで、この映画の感想トラックバックを募集していますよ↓*
http://soreboku.cocolog-nifty.com/blog/bosyu/
・それでもボクはやってない@映画生活

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この記事へのコメント
それとあわせて、もう少しことの真偽を自分なりに、検証したのちブログで取り上げてみたいお話がこれ。
ミラーマンと揶揄されている、植草一秀氏の痴漢容疑の問題です。
単純に、「あえて」言いますが、「痴漢容疑」というだけで、家宅捜索されてしまった氏の、検察側の取調べの不自然さなど、ちょっと妙だな、と個人的に感じていたことなので・・
参考までに。例のごとく大手メディアは、シカト状態なので。真偽は不明ですが疑問点は多々ありそうですよ。
http://www.asyura2.com/07/senkyo29/msg/117.html
http://yuutama.exblog.jp/
植草教授の問題、実は私もかねてより興味を持っていました。2回目の逮捕となると、1回目にもしハメられたのだとしたら、どうしてもっと気をつけなかったのかとも思って、ほんと真偽のほどは微妙ですね。でも、つい「自白」してしまう事情は、この映画を見るとよくわかります。おかぽんさんの記事楽しみにしています!
しかし、こんないい加減な司法・裁判制度のまま裁判員制度が始まって、国民である私たちまで巻き込まれていくのかと思うとたまらないです。冤罪の片棒だけはかつぎたくないですね。