洋服記念日/ 女工哀歌(エレジー) (05・米)

11月12日は「洋服記念日」。

1872(明治5)年のこの日、「礼服には洋服を採用す」という
太政官布告が出されました。
これは、公家・武家、いわゆる裃(かみしも)や
束帯(そくたい)などの和式の礼服を廃止し、
洋服の使用を促進するというもの。
全日本洋服共同組合連合会が1972(昭和47)年に制定。


今、世界の洋服の大半を生産しているのは中国です。
その「世界の工場」中国では、農村から出稼ぎに来た少女たちが、
過酷な労働条件の下で、連日連夜働かされて…

画像


【評価ポイント】




四川省の農村から都会へ働きに来た16歳の少女・ジャスミンを主人公に、
工場での過酷な日々のみならず、
仲間たちとの交流や、手紙や日記を書くことに
楽しみを見つけながら懸命に生きていく姿を描いた
秀逸なドキュメンタリーです。

ジャスミンたちは、欧米に出荷されるジーンズを作っています。
その時給はなんと7円。それさえ給料日が来ても
支払われなかったり、食事代や遅刻の罰金を引かれたりして、
まるで「あゝ野麦峠」の世界です。
いや、野麦峠の方が、女工の身請け時に前金もらってるから
まだマシか。中国の女工たちは、退職を防ぐために
初任給は会社に押さえられてしまいます。

このような実態を、中国当局の度重なる妨害にもめげず
ドキュメンタリー映画化したのは、
アメリカのミカ・X・ペレド監督。
中国の労働問題は、工場に過酷な価格競争を強いる、
先進諸国の大企業に責任あり、と訴えています。

そういえば、日本で発生した「毒ギョーザ」事件だって、
もしかしたら労働問題が絡んでいるのかもしれません。
毎日18時間も働いても、ロクな賃金ももらえなかったら、
「こんな工場潰れてしまえ!」とヤケになる従業員が
出てきたっておかしくありません。

目先の利益ばかり追求して、低価格のツケは下へ下へと
押しやられ、最下層にいる労働者には雀の涙ほどのお金しか
渡らないなんて。

そんな低価格商品を求める消費者にも問題アリかも
しれないけれど、誰がいちばん得をして、
巨万の富を築いているのかということを考えれば、
責任の所在はおのずと明らかなのでは。

ウォルマート、リーバイス、スターバックス、GAP、NIKE、
マクドナルド、ディズニーランド。
この映画のチラシに名前が挙がっていた、労働問題が報道された
企業たち。

末端の人々を苦しめたツケは、不祥事となっていつかわが身に
ドカンと返ってくるということを早めに自覚していただいて、
末永く継続可能な企業へと、経営体質を改めていただきたい
ものです。

これからは「フェアトレード」をキーワードに。
消費者の一人として、よろしくお願いいたします。

「女工哀歌(エレジー)」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

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この記事へのコメント

2008年11月12日 11:52
いやーひどすぎますね。人権蹂躙もいいとこです。これで栄養状態が悪いと結核かなんかになるんでしょうね。下層労働者を泣かせて富を得るという資本主義の露骨さが出ています。ジーンズ派の私としては、胸が痛みます。それにしてもこのアメリカのミカ・X・ペレド監督、よくこのようなドキュメンタリーを撮りましたね。アメリカもまだまだ捨てたものではないと思ってしまいます。
2008年11月12日 19:50
kotanさん、こんにちは。
ペレド監督は出身国は違うみたいですが、アメリカで活躍して数々の受賞歴もある監督みたいです。

少女ばかり雇うのは、「従順でおとなしいから」。もう言葉が出ませんね。
この映画では出てきませんでしたが、ミシンやアイロンを使うから、きっと事故などもあると思うんです。労働者は使い捨てなんでしょうね。これまたリアル蟹工船です。
ソナム
2008年11月13日 21:34
安売りに飛びつく私も加害者だなあ…ということですよね。
貧しいものが、さらに貧しいものを虐げる。う~~~ん、どうすりゃいいんだ…。
ぴむ
2008年11月14日 15:44
ソナムさん、そんなに罪悪感に悩まないでくださいよ。私もユニクロやしまむら大好き人間なんですから・・・。

それにバナナもチョコレートも、児童労働等生産者からの搾取が横行してるんですよね。昨今のくだらないバナナダイエットブームで、どれほどの生産者が苦しめられているかと思うと心が痛みます。

一本50円のフェアトレードバナナなら、毎朝バナナばっかりは食べられないはずだぞ。価格も食べる頻度も、それが適正といったところでしょう。