バーホーベン、故郷に帰る。「ブラックブック」

「氷の微笑」「スターシップ・トゥルーパーズ」の
ポール・バーホーベン監督ひさびさの新作が公開されました。

B000SADJHIブラックブック
カリス・ファン・ハウテン.セバスチャン・コッホ.トム・ホフマン.ミヒル・ホイスマン ポール・バーホーベン
Happinet(SB)(D) 2007-08-24

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公式サイト
http://www.blackbook.jp/

映画『ブラックブック』公式ブログ~バーホーベンはお好き?~
http://blogs.yahoo.co.jp/blackbook1944

ハリウッドの第一線で活躍するバーホーベン監督が、
ひさびさに故郷オランダで撮影した映画です。
出てくる役者も、ほとんどがヨーロッパの人たちなので
とても新鮮。

とはいえ、綺麗なおねえちゃんを探してくることにかけては
デビッド・リンチと並んで天下一品のバーホーベン監督、
とっても綺麗なカリス・ファン・ハウテンをヒロインにすえて、
サスペンスあり、官能的なサービスカットあり!
の娯楽作になっています。
エロ、グロ、サスペンスと三拍子そろってますよお客さん!
それなのになんで、

こんなに客が少ないんだ

日曜日の渋谷の映画館で、こんなに人が少ないのは初めて・・・。
これじゃバーホーベン監督に失礼じゃないかああ!!
来日までしてくれたのに・・・。

映画の舞台は1944年のオランダ。
ナチス・ドイツに占領されたオランダで
受難の人生を送るユダヤ人ラヘル(カリス)の
波乱万丈の運命を描いています。

エロ・グロ・サスペンスに加えて最後のどんでん返しもあり、
とっても楽しめる映画でした。
ナチスのオランダ占領とユダヤ人迫害という
重いテーマを描いていながら、
一級のサスペンス娯楽映画として楽しむことができます。

この映画の面白いところは、
最初にヒロインの現在の姿が描かれ、
彼女の回想という形で物語が進んでいくところ。
つまり、劇中で彼女がどんなにピンチに陥っても、
死なないことは最初から観客にはわかっています。

でもこれがむしろ逆に、ミステリーを
盛り上げていくんですよね。
この絶望的な状況を
彼女はどうやってサバイバルするんだろう!?
そんな謎解きをしながら、飽きることなく
映画を楽しむことができます。
小道具や伏線も効いて、
とても巧みな作りになっています。

オランダの視点から見た世界大戦。
この映画は反戦色は濃くないものの、
「スターシップ・トゥルーパーズ」同様、
バーホーベン監督の戦争批判が
きちんとこちらに伝わってくるようです。

実はクリント・イーストウッド監督の
「硫黄島からの手紙」を見たときは、
私はどうも居心地の悪い
気持ちになってしまったのです。

硫黄島はいい映画でしたが・・・。
イーストウッド映画を見た後は、
いつも同じ気持ちになるのです。
なんかこう、イーストウッドの哲学にどーも
ついていききれないというか・・・。

極論かもしれないけど硫黄島って結局、
「プライベート・ライアン」と同じ結論に
落ちちゃっていなかったでしょうか?
サバイバルと、死者に対する「鎮魂」。
この鎮魂てやつがどうも、
私にはクセ者&邪魔者に思えます。

鎮魂から一歩先に進まないと、
戦争の本質は見えてこないのではないかと。
まーそれが帝国主義アメリカ生まれの監督の
限界でもあるのかも。

バーホーベン監督は、その辺きっちりと・・・。
キネマ旬報で立川志らくさんも言っていたけど、
硫黄島よりスターシップ・トゥルーパーズのほうが
戦争映画として優れていると、
私も思いますねん。

そしてもちろん「ブラックブック」も。
ヒロインのサバイバルを通して、
そして、たくさんの人間の死を通して、
伝わってくるのは敵味方に関係のない
戦争の空しさです。

そして印象的なラスト・シーンでは、
無常観さえ感じましたね・・・。
時代の空気を反映しているような・・・。


上映中、ルトガー・ハウアーがちょこっとでも
出てこないかな? と思わず探してしまった私でした。


面白いし、映画館空いてるし(泣)、
機会があればぜひみなさんに見ていただきたい映画です。

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